AP過去問 令和7年度春期 午前 問54
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問54(問題文)
あるシステム開発プロジェクトのシステムテストにおけるテスト密度及び欠陥密度の値は、図に示した領域①~領域④のうち、領域④の範囲内であった。品質管理基準に照らして評価すると、行うべき活動として最も適切なものはどれか。ここで、このプロジェクトの品質管理基準では、定量評価の基準として、表に従ってテスト密度及び欠陥密度の基準値を設定した上で、テスト密度は基準値の 80%以上であること、かつ、欠陥密度は基準値の80%以上120%未満であることと定めている。
品質指標 | 算出方法 | 基準値 |
テスト密度 | テストケース数(件)÷システムの規模(KLOC) | 20(件/KLOC) |
欠陥密度 | 検出欠陥数(件)÷システムの規模(KLOC) | 0.1(件/KLOC) |
ア 欠陥密度は基準を満たしているが、システムの品質に問題がないか、欠陥の妥当性を確認する。
イ システムの欠陥が多いので、検出した欠陥の原因を分析した上で、システムの品質改善に取り組む。
ウ システムの欠陥を十分に検出できていない懸念があるので、テストの観点に漏れがないかなど、テストケースの妥当性を確認する。
エ テスト密度が不足しているので、システムの規模に見合うテストケース数以上となるように、テストケースを追加する。
回答・解説
まず、今回の状況を整理します。
領域④は、テスト密度が16以上の範囲にあります。
品質管理基準では、テスト密度について基準値の80%以上が必要とされています。
基準値は20(件/KLOC)ですので、 20 × 0.8 = 16(件/KLOC) となり、16(件/KLOC)以上であれば基準を満たしていると評価できます。
つまり、領域④はテスト密度については基準を満たしており、テスト密度は不足していないと判断できます。
まとめます。
テスト密度は基準を満たしている(不足していない)
欠陥密度は基準より低い(検出した欠陥が少ない)
この状況から適切な行動は、
- テストケース数を単純に増やすのではなく、
- 欠陥を十分に検出できていない懸念に対応するため、テストの観点やテストケースの妥当性を確認すること
です。
アは❌間違いです。欠陥密度は基準を満たしているが、システムの品質に問題がないか、欠陥の妥当性を確認する。
- →今回は欠陥密度が基準を満たしていないため、この選択肢は適切ではありません。
イは❌間違いです。システムの欠陥が多いので、検出した欠陥の原因を分析した上で、システムの品質改善に取り組む。
- →欠陥が多いわけではなく、むしろ欠陥が少なすぎることが問題です。このため、イも適切ではありません。
ウは✅正しいです。システムの欠陥を十分に検出できていない懸念があるので、テストの観点に漏れがないかなど、テストケースの妥当性を確認する。
- →欠陥が十分に検出されていない可能性があり、テストの観点やテストケースの妥当性を確認するのは適切です。よって、ウが正解です。
エは❌間違いです。テスト密度が不足しているので、システムの規模に見合うテストケース数以上となるように、テストケースを追加する。
- →テスト密度は不足していません、単にテストケースを増やすだけではなく、観点や妥当性の見直しも必要です。このため、エは適切とは言えません。
したがって
ウ
が答えです。
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