FL Studio ピアノロールの使い方 リフマシーン

提供:yonewiki

FL Studio ピアノロールの使い方 その2に戻る。

概要

 このメニューを選択するとPattern再生が開始され、プレビューしながら、生成したいMIDIパターン(つまり、リフ)を調整していきます。この機能はAIとかを使っているわけではなく、*.fscファイルによる以下スコアの組合せによって、実現されています。デフォルトの設定では、仕組み上、パターン生成はできても、カッコイイ、リフができるとは思えませんが、近いものに出会える可能性はあります。ひょっとしたら完全体にも辿り着けるかもしれません。


  • Prog(ベースライン:Note Progression)
C:\Program Files\Image-Line\FL Studio 2024\Data\Patches\Scores\Chopping\Riff machine step 1


  • コード(C5基準でコード種類:Chord Progression)
C:\Program Files\Image-Line\FL Studio 2024\Data\Patches\Scores\Chopping\Riff machine step 2


  • Arp(変化方向とリズムパターン:Arpeggiation )
C:\Program Files\Image-Line\FL Studio 2024\Data\Patches\Scores\Arpeggiator\Riff machine


 Prog、コード、arp、Mirror、Levels、Art、Groove、Fitの8段階の調整項目があります。


リフマシーン全ステップ一覧


 共通の設定項目は以下のモノです。


リフマシーン共通設定


 Note Progressionが主音(tonic)つまりコードのルート音のmidiコードになります。8Barsで描かれていたのに、Lengthが4で指定されると、切り落とされます。*.fscファイル作成時はC5がNote Number=60の基準になりますが、このリフマシーンで*.fscを読み込んだ時はNote Number=60をC4として扱うので、FL Studioだけで操作した場合は、主音用として*.fscを作成したときより1オクターブ低い主音になります。Chord Progressionは、主音からのコードパターンを保持しているものとして扱います。これも8Barsで描かれていたのに、Lengthが4で指定されると、切り落とされます。Arpは保持している長さで繰り返しのアルペジオ奏法を行います。半音づつがコードパターンの主音から離れている方向の音と一致します。自分で*.fscファイルを上記フォルダに配置していくとより習熟したパターンが生成できるようになります。Arpに一番長い時間Noteを配置すると、その一番長いNoteの間隔でアルペジオが生成されますので、以下のようにすると中途半端な長さの短いアルペジオパターンでも一番長いNoteで指定したきりのいい長さでの繰り返しパターンが生成できます。


アルペジオfscコツ


 各ステップの名前の横にある緑の丸い灯りはクリックすると消すことができて、各ステップの設定をステップごと無効にすることができます。各ステップにある、[初期化]で、初期値に戻すことができて、[Random]で、そのステップの設定をランダムにすることができ、押す都度、設定が変わるので、自分でも想定していなかった設定に出会うことが出来ます。


 ステップ1~3では、要となる*.fscファイルを選択する部分があります。


fscファイル選択部分


 フォルダマークをクリックすると選択する*.fscファイルのフォルダを選択するところから選べます。三角マークはフォルダ内にある*.fscファイルや*.midファイルが一覧されて、そこから選択することもできます。フォルダの中にパターンがありすぎると、ここから選択するのは困難になってきますので、フォルダアイコンを使うことになるでしょう。


 共通部分には、[Start over]ボタンを押すと全ステップの設定値が初期化されます。*.fscファイルはフォルダ内にあるdefault.fscが選択されます。[Throw dice]ボタンを押すと全ステップの設置値がランダムに設定され、押す都度、設定が変わるので、自分でも想定していなかった組合せの設定に出会うことが出来ます。


 共通部分の[既存のスコアに取り組む]にチェックを入れると、既存のピアノロールのスコアに描かれたノートを、Step1で選択するファイルと入れ替えて処理してくれます。主音だけは自分で作った即席のものが使いやすくなっています。但し、既存のピアノロールのスコアに描かれたノートを、Step1で選択するファイルと入れ替えているとはいえ、選択されている*.fscファイルに演奏していない瞬間があれば、それは反映されますので、ビート感は選択している*.fscファイル寄りになります。*.fscファイルでのC5がC4になるという現象がありましたが、既存のスコアを使う場合はC5にある主音はC5のまま扱われます。


 共通部分の[現ステップまでのプレビ...]にチェックを入れると、選択しているステップまでを適用したプレビューに変わります。


 共通部分の[適用]ボタンを押すと全ステップの設定を反映して、確定したノートがピアノロールに並びます。取り消したいときはウィンドウ右上の閉じるボタンで終わらせれば、適用を取りやめることができます。


 各ステップごとの設定について簡単に見ていきましょう。


Step.1:Note Progression


 Time mulノブ:Time multiplierノブはノートの長さを調整し、短い分は前に詰められます。長く設定すると元の設定のノートの1拍づつが長くなります。ビート感が設定されていた場合は、一番長くすることでビート感を取り消すことが出来ます。ノブの真ん中が規定値です。


 Levelsノブ:Pan/Velocity(VEL)/Release(REL)/ModulatioX(MOD X)/ModulationY(MOD Y)/Pitch(ピッチ)を変更できますが、触っても結果に影響を及ぼしたことがないので、どういう機能なのかは要調査ですね。このことは、Step2:コードでもStep3:ArpでもStep7:Grooveでも同じです。FL Studio 2025になってGophaというAI ヘルプアシスタントができたのですが、それに聞いてもわかりませんでした。調査いいましたけど、ほぼ迷宮入りですね。こういう謎なスイッチはまだまだたくさんあります。リフマシーン恐るべし!


 [絶対的パターン]スイッチ:説明書ではノートのスライスはピアノロールグリッドに基づくのがOnで、ノートそれぞれの開始時間を基準にしてスライスされるのがOffとありますが、実際には音程にも影響があってこれは、どういう意味なのかは要調査が必要です。


 [グループノート]スイッチ:説明書では切り刻まれたノートをグループ化し、Toobarショートカットアイコンのグループ化機能を使用してノートのグループ化を有効にするとありますが、実際には影響がないので、これも要調査ですね。


Step.2:Chord Progression


 Time mulノブ:Time multiplierノブはコードの動きについて、時間的に伸ばしたり、縮めたりする効果があります。


 Levelsノブ:Step1に同じです。説明を省略します。


 [絶対的パターン]スイッチ:Step1に同じです。説明を省略します。


 [グループノート]スイッチ:Step1に同じです。説明を省略します。


Step.3:Arpeggiation


 パターン選択リスト:[普通/Flip/Alternate]普通だと、指定したパターンのとおりになって、Flipだと、指定したパターンを水平反転した形になり、Alternateだと、指定したパターン(A)と水平反転したパターン(B)が交互になります。A,B,B,A,A,B,B,A,A,B...のようになります。


 Range数値設定:[1~6]数値が2に一つ増えると1小節ごとにオクターブが離れていく動きになります。数値が3だと次の小節はさらにオクターブが離れます。


 Range2以上のときの選択リスト:[普通/Flip/Alternate]普通だと、小節(Sync設定に従う)が進むごとに徐々にオクターブが離れていきます(A)が、Flipだと逆に、最初にオクターブが設定の最大分離れて、小節(Sync設定に従う)が進むごとにだんだんオクターブが寄ってきます(B)。AlternateだとAとBが交互になります。A,B,B,A,A,B,B,A,A,B...のようになります。


 Sync選択リスト:[Time/ブロック/コード]Timeだと小節ごとの変化で、ブロックだとアルペジオパターンごとの変化で、コードだとコードパターンごとに変化が発生します。


 Gateノブ:ノブをいっぱいに回した状態が普通で、ノブの値を小さくしていくと、アルペジオノートの長さが短くなっていきます。


 Time mulノブ:Time multiplierノブはアルペジエーションの動きについて、時間的に伸ばしたり、縮めたりする効果があります。


 Levelsノブ:Step1に同じです。説明を省略します。


 [グループノート]スイッチ:Step1に同じです。説明を省略します。


Step.4:Mirror


 [水平方向に反転]スイッチ:Onにすると、全体が水平方向に反転します。


 [水平方向に反転]スイッチOn時の[スタート時間を維持]スイッチ:Onが規定値でノートの開始時間を相対的な位置に保ちます。


 [垂直に反転]スイッチ:Onにすると、全体が垂直方向に反転します。


Step.5:Levels


 [Levels]ノブ:Pan/Velocity(VEL)/Release(REL)/ModulatioX(MOD X)/ModulationY(MOD Y)/Pitch(ピッチ)を変更でき、動かした方向の分だけ、動かした方向に揺らぎが発生して、ひとつひとつのノートに設定がされます。[Random]ボタンを押すと6つのノブがランダムに動きます。ランダムとはいえあまり大きなノブ回し量にはならないようになってはいます。全部を変化させる必要は少ないと思うので、VelocityとReleaseだけを動かすのがよいのではないでしょうか?なので、あんまり[Random]ボタンは使わない方が良さそうです。


 [Seed]ボタン左と右:どれか一つでもLevelsノブに揺らぎを設定していた場合、各ノートに適用されるランダムの種を動かします。各ノートに適用される押す都度、値が変化します。


 [Reset before processing]スイッチ:ランダム化の前に値をデフォルトレベルにリセットします。


 [Bipolar]スイッチ:ノブで設定した値に対して、ランダムが大きい方に小さい方にも作用する動きになります。


Step.6:Articulation(ノートの長さ)


 [Multiply]ノブ:規定値は最大で、ノブの値を小さくすると全てのノートが短くなっていきます。


 [Gap]ノブ:規定値は最小で、ノブの値を大きくすると全てのノートの手前のギャップが大きくなっていきます。もともとギャップがあるところはノブの値が最大に近いあたりで効いてくる可能性はありますが、十分にギャップがあれば、最大にしても変化は生じません。


 [Variation]ノブ:ノートの長さを短くする量に揺らぎを与え、その揺らぎの幅の大きさを調整するノブです。


 [Seed]左右ボタン:それぞれのノートがランダムに短くなる量が調整されているのにたいして、ランダムの種を動かし、それぞれのノートに適用される短さが変わり、不確定な要素の全体を左のボタンを右のボタンで更新できます。


 [Chop Chords]チェック:入力したコードを細かく分割し、リズミカルに刻む(チョップする)役割を持っています。


 [Use Length]チェック:Onにすると元の音符の長さを使用します。


Step.7:Groove(ノートのタイミング)


  • Groove(ノートのタイミング)
C:\Program Files\Image-Line\FL Studio 2025\Data\Patches\Scores\Quantization\Riff machine


 これも*.fscファイルによって影響が発生する項目です。*.fscでは主にC5のノートだけで、グルーブつまりビートの揺らぎについて指定をしたものになります。


 [Start time]ノブ:*.fscファイルで指定されたビートの位置に近づくように変化します。


 [Sensitivity]ノブ:Start timeノブの感度が変化します。


 [Duration]ノブ:次のリストの値にしたがって、調整されます。


 [Duration]ノブモードリスト:[Leave Duration/Leave end time/Quantize duration/Quantize end time]から選べて、Leave Durationは音符のデュレーションを変更しない、Leave end timeはノートの終了位置を変更しない、Quantize durationはノートの開始位置と終了位置をクオンタイズ(スナップ設定グリッドに揃える)、Quantize end timeはノートの終了位置をクオンタイズ(スナップ設定グリッドに揃える)するという動作になります。


 [Levels]ノブ:Step1に同じです。指定された*.fscファイルのVelocityの80%を1として、0~80%を-100%~0%に80%~100%を0%~100%に対応させてノブの設定値に掛け算をしたような変化をします。*.fscのノートのすべてがVelocity80%ならノブをどのように調整しようとも変化しない感じになるようです。初めて、Velocityを変化させたリフマシーン用の*.fscファイルを見かけ、この結論を得ました。他のもステップのLevelsノブも同じかもしれません。調査してみます。


Step.8:Fit(音域)


 キー/スケールの制限


 [Key]選択リスト:[C/C#/D/D#/E/F/F#/G/G#/A/A#/B]から選択できます。


 [scale]選択リスト:[(none)/Major/sus2/sur4/Majb5/minor/mb5/aug/augsus4/tri/6/6sus4/6add9/m6/m6add9/7/7sus4/7#5/7b5/7#9/7b9/7#5#9/7#5b9/7b5b9/7add11/7add13/7#11/Maj7/Maj7b5/Maj7/Maj7b5/Maj7#5/Maj7#11/Maj7add13/m7/m7b5/m7b9/m7add11/m7add13/9/9sus4/add9/9#5/9b5/9#11/9b13/Maj9/Maj9sus4/Maj9#5/Maj9#11/m9/madd9/m9b5/m9-Maj7/11/11b9/Maj11/m11/m-Maj11/13/13#9/13b9/13b5b9/Maj13/m13/m-Maj13/Major/Major pentatonic/Major bebop/Minor Harmonic/Minor Melodic/Minor pentatonic/Minor Natural(Aeolian)/Minor Neapolitan/Minor Hungarian/Whole tone/Diminished/Dominant bebop/Jap in sen/Blues/Arabic/Enigmatic/Neapolitan/Dorian/Phrygian/Lydian/Mixolydian/Locrian]から選択できます。scaleでnone以外を選択するとコードで指定した音域を制限して、先のキーの選択に対して、ここで指定したコードやスケールの音だけを選んで配置されるようになります。


 [snap]選択リスト:[Above/Under/Alternate]から選べます。Aboveはベースキーの上のオクターブにスナップします。Underはベースキーの下のオクターブにスナップします。Alternateは交互にスナップします。


 キーボードの音域/移調


 [wrap to top/bottom]チェック:ノートが設定された範囲より上にある場合は、範囲の一番下のオクターブにラップします。


 [キーボード]:ノートオフセットを設定するには、キーボードを左クリックします。キーボードの上のバーを左クリックし、ルーラーをドラッグしてキー領域を作成できます。キーボードの下の部分にスクロールバーがあります。

 

FL Studio ピアノロールの使い方 その2に戻る。