AP過去問 令和6年度秋期 午前 問76

提供:yonewiki

AP過去問 令和6年度秋期 午前 問題に戻る

AP過去問 令和6年度秋期 午前 問75

AP過去問 令和6年度秋期 午前 問77

問76(問題文)

 ベイズ統計の説明として適切なものはどれか。


ア 経済統計に関する国際条約に基づいて、貿易実態を正確に把握し、国の経済政策や企業の経済活動の資料とすることを目的とした指標を作成する統計手法

イ 事前分布・事後分布といった確率に関する考え方に基づいて体系化されたものであり、機械学習、迷惑メールフィルターなどに利用されている統計理論

ウ 収集されたデータの代表値である平均値・中央値・最頻値を求めたり、度数分布表やヒストグラムを作成したりすることによって、データの特徴を捉える統計理論

エ ビッグデータの収集・分析に当たり、分析結果の検証可能性を確保し、複数の分析結果を比較可能とするために、対象をオープンデータに限定する統計手法。

 

回答・解説

 ベイズ統計は、事前分布(Prior)と事後分布(Posterior)という確率分布を用いて、不確実性を考慮したデータ分析を行う統計手法です。具体的には、新たなデータ(観測データ)を考慮して、既存の知識(事前分布)を更新するプロセスを通じて、より正確な推定や予測を行います。応用例として、機械学習、自然言語処理(迷惑メールフィルターなど)、医療分野での診断支援などがあります。


 アは間違いです。国際統計(例:国際貿易統計、国民経済計算など)や、経済統計全般に関連していると思われます。例えば、GDPや貿易収支などの指標を作成するための統計手法や基準(例:国連の「国際収支マニュアル」)に基づいています。これらはベイズ統計とは直接的には関係しません。

 イは正しいです。

 ウは間違いです。これは、記述統計(Descriptive Statistics)に該当します。 記述統計は、データを整理し、分布や中心傾向(平均値・中央値・最頻値)を示すことで、データの特徴を視覚的・定量的に把握する方法論を指します。

例:

  • ヒストグラムを用いてデータの分布を可視化する
  • 標準偏差でデータのばらつきを測る
  • 記述統計は、データの傾向を把握するための基礎的な手法であり、ベイズ統計や推測統計とは異なります。

 エは間違いです。特定の「統計手法」というよりも、ビッグデータ分析やオープンサイエンスの一環としてのデータ共有や透明性を強調している説明です。オープンデータは、誰でも自由にアクセス・利用・再配布できるデータを指します。この考え方は統計分析の手法そのものというより、データ利用の前提条件や哲学に近いものです。 例:

  • 公共交通データを公開してアプリ開発者に提供する取り組み
  • ベイズ統計の枠組みとは直接関連しません。

 したがって



 が答えです。

 

AP過去問 令和6年度秋期 午前 問75

AP過去問 令和6年度秋期 午前 問77

AP過去問 令和6年度秋期 午前 問題に戻る