AP過去問 令和5年度秋期 午前 問37
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問37(問題文)
楕円曲線暗号の特徴はどれか。
ア RSA暗号と比べて、短い鍵長で同レベルの安全性が実現できる。
イ 共通鍵暗号方式であり、暗号化や復号の処理を高速に行うことができる。
ウ 総当たりによる解読が不可能なことが、数学的に証明されている。
エ データを秘匿する目的で用いる場合、復号鍵を秘密にしておく必要がない。
回答・解説
楕円曲線暗号(elliptic curve cryptography、ECC)は、公開鍵暗号方式の一種であり、特に鍵長を短く保ちながら高い暗号強度を実現できることが大きな特徴です。これにより、処理の高速化や省電力化が求められるモバイル環境などでよく利用されています。
アは✅正しいです。RSA暗号と比べて、短い鍵長で同レベルの安全性が実現できる。 この記述は正しいです。ECCでは、たとえば160ビット程度の鍵長で、RSAの1024ビット相当の安全性があるとされており、同じ安全性をより短い鍵で実現できます。これは楕円曲線暗号の代表的な特徴です。したがって、これが正解です。
イは❌間違いです。共通鍵暗号方式であり、暗号化や復号の処理を高速に行うことができる。 楕円曲線暗号は公開鍵暗号方式であり、共通鍵暗号方式ではありません。また、共通鍵暗号方式のほうが一般的に暗号化や復号が高速です。この記述は不正確です。
ウは❌間違いです。総当たりによる解読が不可能なことが、数学的に証明されている。 楕円曲線暗号の安全性は、離散対数問題の困難性に基づいていますが、それが総当たりで絶対に解読不可能であることが数学的に証明されているわけではありません。この記述も正確とは言えません。
エは❌間違いです。データを秘匿する目的で用いる場合、復号鍵を秘密にしておく必要がない。 これは公開鍵暗号全般において誤解されやすい点ですが、復号鍵(秘密鍵)は秘密にしておく必要があります。公開鍵で暗号化されたデータを復号できるのは秘密鍵を持つ本人だけです。この記述は誤りです。
したがって
ア
が答えです。
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