axe i/o solo
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概要
IK Multimediaから発売されたギター向けのオーディオインターフェイスです。2in/3outです。7000円くらいで入手しました。ギター向けとしては画期的な入力調整機能が装備されています。axe i/o oneというのがコンパクトでギターしか弾かない人にはちょうどいい1in/2out?な製品も出ていまして、お値段的にもお得です。弾いて、唄う人は、このaxe i/o soloがピッタリでしょう。スタジオでバンド録音とかする人は、これでは間に合いません。10in/10outくらいのものを買わないと駄目でしょう。でも今時の録音は一人づつだと思うので、これがあれば、間に合う気もする。ライブとかだと会場の設備に頼るだろうし。素人のライブの録音とかってどんな風にやってくれるんだろう。
画期的機能はZ-TONEという入力インピーダンス可変を実現するノブです。ActivePickupはLow-Z気味、PassivePickupはHi-Z気味という入力調整を可能にする新しい考え方が盛り込まれています。入力信号のレベルに合わせた入力の方が受け渡しがうまくいくのは当たり前なので、今までなぜこうしなかったのかと思わされる機能です。ACTIVE/PASSIVEピックアップ切り替えスイッチもあるので、これも、その入力へのこだわりの部分なのかなと思います。ただ、Z-TONEと、スイッチの二つがある意味がよくわからない。持っててもよくわからない。入力レベルの合わせこみって実は繊細すぎて、耳の悪い自分には理解ができない。宝の持ち腐れってヤツ?それです。だから、うまく調整できない。聞き分けれないから、なんとなくLow気味の設定にしとこうかなくらいの感じです。
使いこなせるようになったら、また何か記事にします。
以下、仕様、スペックの解説です。
■ギターTS入力 INPUT1
- 表面の一番左の下にギター用のch.1となるinputとして、複数の回路構成を持つ楽器用プリアンプ機能をもつ、ギターやベースなどの楽器に最適化されたTS端子の入力があります。TS端子は2接点のTip-Sleeveによるアンバランス接続です。
- ピックアップモードスイッチ(Active or Passive)
- パッシブピックアップモード(電池を必要としない一般的なピックアップ)搭載の楽器向けの入力インピーダンスとして1[MΩ]から2.2[kΩ]まで可変でき、楽器の特性に合わせた最適なインピーダンス設定が可能です。これにより、トーンの減衰を防ぎ、本来のサウンドを再現できます。
- アクティブピックアップモード10[kΩ](電池を必要とするピックアップ)搭載の楽器向けの入力インピーダンスです。スペック表にはこのように書かれていたので、アクティブピックアップモードだとスイッチひとつで10[kΩ]固定にしてくれるのかもしれない。
- Z-TONEつまみは、上記によると1[MΩ]から2.2[kΩ]まで可変ということです。
- 表面の一番左の上にch.1入力レベル, 最小ゲインつまみがあります。以下の性能です。
- ゲイン(入力音量)を最小にした時に、デジタル信号の最大値(224の最大値が 0[dBFS](FSはFullScaleの意))を得るために必要なアナログ信号のレベル(+12.5[dBu](uはunloadedの意))です。最大にした時に、デジタル信号の最大値(0[dBFS])を得るために必要なアナログ信号のレベル(-19[dBu])です。0[dBFS]=0.775[V](ボルト)RMS(Root Mean Square(実効値))。歴史的に600オームの負荷で1ミリワット(mW)の電力を生じる電圧として選ばれ、現代のオーディオ機器では、インピーダンスが600オームでない場合が多いため、「アンロード」としてインピーダンスに依存しない電圧レベルを基準にしています。つまり、最小のときは12.5[dBu]の入力があると音割れして、最大の時は-19[dBu]という比較的小さな音量のアナログ信号が入力されたときに音割れするよってことです。
- 周波数特性(Frequency response): 6[Hz]~42[kHz] within 0.5[dB](96[kHz]sample rate)。※音量のばらつきが±0.5[dB]だと言っています。
- ダイナミックレンジ(Dynamic Range): 117[dB](A)※最も小さい音と最も大きい音の差を示します。
- 全高調波歪み率スイッチ(PURE or JFET)
- PUREモード(THD, PURE mode): 0.002[%](-1[dBFS] input)。※PUREモードは全高調波歪み率が低く、原音忠実性、透明感、クリアさ。が特徴になると言っています。
- JFETモード(THD, JFET mode): 0.5[%]※JFET(Junction Field-Effect Transistor)は全高調波歪み率が大きめで、温かみ、倍音の付加、ギターアンプのようなキャラクター。が特徴になると言っています。
■マイクXLR入力 INPUT2
- 裏面の右側にch.2のinputとしてXLR端子マイク入力があります。LINE端子共通です。コンボ端子と言います。ここではXLRの性能について記述します。
- 表面の中ほどの上にch.2入力レベル, 最小ゲインつまみがあります。以下の性能です。
- ゲイン入力の下に48[V]ファンタム電源On/Offスイッチがあります。コンデンサマイクに対してはこの48[V]電源を供給するのが普通です。マイクの方式がDynamic/Condenserかによってスイッチを使うかどうかを決めます。
- ディスクリート(個別の部品で構成された)Class-A差動マイクプリアンプです。Class-Aは高音質で、差動方式はノイズに強いのが特徴です。「pin 2 hot」はXLRコネクタの2番ピンがプラス信号であることを意味します。
増幅回路のクラス分類のクラスにはA~Hまでがあります。デファクトスタンダードで、誰が決めたわけでもないです。
クラスA:入力信号の全期間で増幅素子が動作、最も歪みが少なく高音質、増幅素子が常に動作 → 発熱が多く、効率が悪い。高級オーディオ機器、マイクプリアンプ、Hi-Fiアンプなどで使われる。
クラスB:入力信号の半周期ずつを2つの素子で分担して増幅、効率は高い、クロスオーバ歪みが出る。古い設計のパワーアンプなどで使われる。
クラスAB:クラスAとBの中間。小信号ではクラスA的、大信号ではクラスB的に動作、オーディオアンプやヘッドフォンアンプで使われる。
クラスC:入力信号の一部分のみ(半周期未満)で動作、非常に高効率、音声には不向き、高周波(RF)送信機など、非線形増幅が許される分野で使われる。
クラスD:トランジスタをオンオフで切り替えてPWM(パルス幅変調)により出力、非常に高効率(~90%)、小型・低発熱・省電力、適切なフィルタで音質も良好(近年はHi-Fi用途にも)
クラスE、F:主に高周波送信機向け
クラスG、H:電源電圧を可変にして効率を高める改良型ABアンプ
入力インピーダンス (Input impedance): 4[kΩ] 差動・平衡型※マイクの入力抵抗値です。
- ゲイン(入力音量)を最小にした時に、デジタル信号の最大値(224の最大値が 0[dBFS](FSはFullScaleの意))を得るために必要なアナログ信号のレベル(+9[dBu](uはunloadedの意))です。最大にした時に、デジタル信号の最大値(0[dBFS])を得るために必要なアナログ信号のレベル(-44[dBu])です。つまり、最小のときは9[dBu]の入力があると音割れして、最大の時は-44[dBu]という比較的小さな音量のアナログ信号が入力されたときに音割れするよってことです。
- 周波数特性(Frequency response): 7[Hz]~32[kHz] within 0.5[dB](96[kHz]sample rate)。※音量のばらつきが±0.5[dB]だと言っています。
- ダイナミックレンジ(Dynamic Range): 116[dB](A)※最も小さい音と最も大きい音の差を示します。AはA特性(A-weighting)を意味していて中帯域の音量を意味しています。人間によく聞こえる帯域でのレンジだということです。
- THD+N(Total Harmonic Distortion + Noise): -104[dB](A) at -10[dBFS]※-10[dB]という通常の入力に対して歪み率による音声とノイズの合計が-104[dB]という小さな値になるよという指標です。
■マイクLine入力 INPUT2
- 裏面の右側にch.2のinputとしてLINE端子マイク入力があります。XLR端子共通です。コンボ端子と言います。ここではLINEの性能について記述します。
- 表面の中ほどの上にch.2入力レベル, 最小ゲインつまみがあります。以下の性能です。
- ディスクリートClass-A差動ラインレシーバーです。シンセサイザーやドラムマシンなどのラインレベル機器の接続に適しています。
- 入力インピーダンス(Input impedance): 20[kΩ] 差動・平衡型
- ゲイン(入力音量)を最小にした時に、デジタル信号の最大値(224の最大値が 0[dBFS](FSはFullScaleの意))を得るために必要なアナログ信号のレベル(+26[dBu](uはunloadedの意))です。最大にした時に、デジタル信号の最大値(0[dBFS])を得るために必要なアナログ信号のレベル(-27[dBu])です。つまり、最小のときは26[dBu]の入力があると音割れして、最大の時は-27[dBu]という比較的小さな音量のアナログ信号が入力されたときに音割れするよってことです。
- 周波数特性(Frequency response): 7[Hz]~32[kHz] within 0.5[dB](96[kHz]sample rate)。※音量のばらつきが±0.5[dB]だと言っています。
- ダイナミックレンジ(Dynamic Range): 117[dB](A)※最も小さい音と最も大きい音の差を示します。AはA特性(A-weighting)を意味していて中帯域の音量を意味しています。人間によく聞こえる帯域でのレンジだということです。
- THD+N(Total Harmonic Distortion + Noise): -104[dB](A) at -10[dBFS]※-10[dB]という通常の入力に対して歪み率による音声とノイズの合計が-104[dB]という小さな値になるよという指標です。
- ※INPUT2はマイクロフォンのXLRプラグ(バランス接続)でモノラル音声をやり取りするのと、TRS(バランス) or TS(アンバランス)プラグでモノラル音声をやり取りするためのXLRコンボ端子となっています。
■MONITORノブ
DAWから帰ってくる遅延込みの音声とDirect(AD変換とプリアンプ処理を通っただけの遅延の無い音)に返される音声の割合を決めるノブがあります。立ち上がりだけはクリーンだけど、遅れてエフェクト効果などのかかったDAWからの音がなるので、演奏しやすい感じのMonitor音を得ることができます。HeadPhone端子とLINE R、LINE L端子に影響のあるノブです。AMP OUTはDAWの音声が100%です。
■HEADPHONESノブ
HEADPHONE端子への出力音量を調整するノブです。
■MASTERノブ
LINE L R端子への出力音量を調整するノブです。
■HEADPHONE端子 出力数にはカウントされていない出力端子です。LINE LとLINE Rをモニターするだけの端子だからだと思います。
HEADPHONESノブで出力音量が調整できる6.35mm(1/4インチ)のTRSプラグを使用し、ステレオ音声を出力するための端子です。ギターの演奏をMonitorするときは、モノラル信号を受け取って、左右同一レベルの音声を受け取ります。デュアルモノとかモノラル信号のステレオ出力と言います。
出力インピーダンス: クリッピングするまで、ほぼ理想的なソース(0[Ω])インピーダンスは交流回路における抵抗とリアクタンスの合計の電気の流れにくさ。
最大出力レベル: 50[Ω]負荷時 +9[dBu](約95[mW])
入力インピーダンスが50[Ω]なら実効電圧0.775[V]基準で0[dBu]で+9[dBu]なら0.775×10^(9/20)で実効電圧2.19[V]となり、2.19 ^2/50で0.096で約95[mW]という表現にも一致しています。最大電圧は3.1[V]です。つまりdBuという単位を使うことで基準が実効電圧0.775[V]基準であることを意味しています。
周波数応答: 0.5[dB]で1[Hz]から42[kHz]まで(サンプルレート96[kHz])
ここでの単位は単にdBです。なぜなら、基準と関係せず、0.5dBの変動で1[Hz]から42[kHz]といっています。
ダイナミックレンジ: 111[dB](A) A-weightedは一般的な中帯域(人間の耳に聞こえるレンジ)を意味しています。
ノイズと、最大音量(0[dBFS(FullScall)])との差は111[dB]だといっています。機器自体のノイズは小さいと言えます。約0.00077mV RMSくらいのノイズ電圧に抑えられているってこと
全高調波歪み+ノイズ: -102 [dB](A) A-weightedは一般的な中帯域(人間の耳に聞こえるレンジ)を意味しています。-102~-111の間の歪み成分は入力との差分で検出しましたってこと6.15[uV] RMS程度の歪みは発生するということです。
十分、高性能な出力ですね。
■LINE L/LINE R端子 OUTPUT1/OUTPUT2
MASTERノブで出力音量が調整できる6.35mm(1/4インチ)のTRSプラグorTSプラグを使用し、モノラル音声をそれぞれ出力するための端子です。スピーカーの左と右にそれぞれ接続するのが通常の利用方法として想定されています。TRS対応のモニタースピーカーを選ぶと本来の入力にはないノイズが聞こえるのが低減されます。
- 構成:電子バランス(Electronically balanced)かつフローティング構成
- 出力回路は電子的にバランス設計され、グラウンドから浮いています(=フローティング)。これにより、接続先との電位差によるノイズを最小限に抑えられます。
- バランス接続・アンバランス接続の両方に自動対応
- 出力先の機器がバランスかアンバランスかを自動的に検出し、出力レベルを適切に補正します。
- チップホット(Tip Hot)
- TRS端子(フォンジャック)のTipがホット(正相)として信号を送ります。
- 出力インピーダンス(Output Impedance)
- バランス接続時:150Ω
- アンバランス接続時:75Ω
- → 接続される機器に対して適切な信号伝達を行える設計になっています。
- 出力レベル(Output Level)
- 0 dBFS(デジタル最大レベル)時 = +13.5 dBu
- デジタル信号が最大音量のとき、アナログ出力としては +13.5 dBu に相当します。
- 周波数特性(Frequency Response)
- 1 Hz ~ 46 kHz の範囲で ±0.5 dB以内のフラットな特性(96 kHzサンプリング時)
- → 超低域から高域まで、極めて広い帯域で忠実に音を再現します。
- ダイナミックレンジ(Dynamic Range)
- 113 dB(A)
- → 非常に広い音のレンジを扱うことができ、小さな音から大きな音まで高精度で再現可能です。
- 歪み率(THD/THD+N)
- THD(全高調波歪率) @ -1 dBFS:0.001%
- デジタル最大出力に近い状態でも、ほとんど歪みがありません。
- THD+N(全高調波歪+ノイズ):-103 dB(A) @ -1 dBFS
- 歪みとノイズを合わせても極めて低い値で、非常にクリーンな音質です。
- チャンネル間のクロストーク(Channel Crosstalk)
- 1-2チャンネル間のクロストーク:112 dB(A)
- 左右チャンネルの信号の混ざりが非常に少なく、分離度が高い。ステレオイメージも正確に再現できます。
■AMP OUT端子 OUTPUT3
6.35mm(1/4インチ)のTSプラグを使用し、アンプに出力したり、リアンプ(DAW→AXE I/O Solo(AMP OUT)→外部アンプ/エフェクター(STOMP, RACK, etc...)→AXE I/O Solo(INPUT 1 or 2)→ DAW)とすることができます。グランドリフト機能がついていて、グランドループノイズというものを除去できます。安心してリアンプができます。外部機器が電源を取っている場合に、グランドループノイズが発生しますので、外部機器を使わないのであれば、Control PanelでGND LIFTをOffにするとノイズがなくなるパターンもありますので、気になった場合はOffにしてみてほしいですね。
構成: アンバランス端子、グラウンドから浮いています(=フローティング)。これにより、接続先との電位差によるノイズを最小限に抑えられます。グランドリフト機能を選択できます。
出力インピーダンス: 75[Ω]
出力レベル: 0[dBFS]は -3 [dBu] 約0.55V RMSに対応します。
周波数応答: 20[Hz]~42[kHz] を±0.5[dB]で応答 (96[kHz]のサンプルレート時)
ダイナミックレンジ: 106[dB](A)
THD+N(全高調波歪+ノイズ): -93[dB](A)
■Externalcontrol端子x2
一般に販売されてるアナログな制御のペダルとスイッチの信号を、MIDIの信号に変換する機能があります。変換についてはControl Panelで設定できるようになっています。ボリューム、ワウペダル、1wayスイッチ、2wayスイッチを接続できます。
■5ピンMIDI IN/5ピンMIDI OUT端子
DIN 5pinプラグオスを接続できます。MIDIによる制御も1ch分ですが接続できます。かぶらなければthru機能とかを使ってチェーン接続はできますよね。
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