R-13
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概要
R-13 クランポン社製(CLAMPOM)は、グラナディラ材で出来たベーム式クラリネットとしては吹奏楽部に所属するクラリネット奏者の高校生が使う楽器の中で、標準的な地位にあったものです。価格は18万円程度。非常に人気のある型の機種です。B♭調の木管楽器に分類されます。
クラリネットの最新機種には、左手の小指で操作できるキーが4つついているモノがありますが、R-13では3つです。このキー構造も他機種を含めて非常に多く出回っている構造になります。右手の小指でも操作できるキーは4つあり、このうちの3つと連動しているのが通常の構造になります。曲の流れで、すべての音程変化の組み合わせにおいて右手の小指と左手の操作順序を工夫することで通常のキー構造でも素早くキーを左手と右手の小指を動かすことでスムーズな音程変更を実現できますが、左手の小指の4つ目のキーは、複雑な操作順序の縛りを緩和することができ、奏者のやりやすい指の運びを選択できることで、さらにスムーズな音程変更を支援するようなものになります。
一見便利なものなので、この4つ目のキーをとりつけることを主流とする流れが発生するかと思いましたが、既に多く流通しているクラリネットの多くには4つめのキーが無いものが多いことから、これに頼らない奏者であることが、より優秀な奏者となれるとの考え方がなされる部分もあったと推測され、そのために主流とはならなかったように考えています。
そのようなことからか?このR-13は根強く主流の製品でありつづけました。
現在はR-13はR13という機種名になっています。物価上昇とかマイナーバージョンアップの変遷があったのかもしれませんが、現在のR13の税込標準価格は48万円(48万6百円)ほどになります。キーの構造とかは一緒です。親指の支えるところの位置が調節可能になったらしいです。見たことはありません。なので、おそらく別物として扱われていると思います。きっと所詮はR-13、R13には及ばないくらいの扱われ方だと思います。
いまは更に進んでいて、5つめのキーが右手小指の更に下(ベルに一番近いあたり付近)に追加されてたものが登場しています(R13はもちろん非搭載。最上位機種あたりで搭載)。役割は知りません。ホームポジションでは到底届かないような距離にあるキーなので、おそらく、左手でホールを押さえるなりして上管を掴んだ状態で右手小指をホームポジションから移動させて、使うんじゃないかと思います。下管の親指での支えがなくなるのでゆるゆるで繋がっているようなクラリネットだと上下がはずれて落っこちることになりますが、ビュッフェクランポン社では100万円を超える機種にしか搭載されていませんので、そんな上下がはずれるようなへぼい楽器ではないのだと思います。
ちなみに左手小指の第4のキーは上段中央側に位置し、レ#(C#)の音と連動していて、右手小指のキー上段上側と同じ役割をします。
その他
- 左手小指上段外側はド#(B(またはH ハー))→右手小指下段上側
- 左手小指下段中央はシ(A)→右手小指下段下側
- 左手小指下段外側はド(B♭ベー)→右手小指上段下側と
と連動しています。
この4音の移り変わりの組み合わせによって両手の小指を交互に使うように駆使します。同じ左左や右右のような片手だけの移動をすると音程のつながりが難しくなります。シ/ド/ド#/レ#のいろんな組み合わせの練習をするのはある程度上達してきた頃に出会うクラリネット奏者への試練となるでしょう。簡単に克服できる才能のある者にとってはなんの試練でもないです。
自論
- 奏法に関するイメージについて
- 空気の流れを整えると音色に雑味がなくなるので、遠くを見つめてある一点に息をあてるような感覚で普通な表情で演奏できるようになると、綺麗な音になりやすい。そして、音程を安定させるためには空気の流れる速さを一定に保つためにも腹式の呼吸と言われているように横隔膜で肺の押し出す感じで、流れをコントロールするのが適している。必ずしもその奏法だけが音楽に使われるのではない自由度の高い考え方で演奏する余裕があってもよいけれど、オーケストレーションのような全体の中の一部に過ぎない場合は、全体の調和を乱さない技術が必要になるし、その調和を乱さない程度の中で、音楽を心から楽しみながら、人が見ていて凄味を感じる思いをぶつけるような演奏ができれば、それでいいと思う。
- 高音域について
- B♭調で描かれたクラリネット向け楽譜の5線の上2線より高い音(ド#以上)を高音域と自分は呼んでいて、このあたりになると空気を押し出す強さや瞬発力が必要になる。できるだけ苦しくなさそうな表情で、確実に音程を捉えるるように無理をするのが最高の奏法だと思う。
- 指の運び(運指)について
- 才能無きものは反復練習あるのみ、キーがかちゃかちゃ言わないようにメンテナンスしたり指の動かし方を工夫することも含めて全力で取り組む。すばやく指を切り替えしたり、移動させたりするためには、うまくできないところを集中的に、その曲で求められる速さよりもより速く指を移動させる練習と指の感覚を体に覚えこませる。リズムに関係なくより早く動かす練習をするのが良さそう。よく8分音符の連続変化を求められるケースで、この連続変化を3対1の長さになるようにして、指の運びを鍛える練習が採用されるが、この練習の決め手は短くされた音の方での指の運びの感覚を身に着けることにあると考える。ただし、自分のような才能無き者には、時間が必要となるのは言うまでもない。
- 楽器をある程度大切にしよう。
- 神経質なほどに楽器をメンテナンスしたくなるのがR-13のような18万円もする楽器への愛着ってやつだと思う。ぴかぴか光る部分は神々しいほうがいいに決まっている。しかし磨くという事は科学的にも削るという作業をしていることにもなるわけで、一点の曇りもない状態を保つのは難しいし、キーを使った開閉機構部にはタンポンと呼んでいるプラスチックのコーティングがほどこされたスポンジ状があり、このメンテナンスが実際の出音にも影響することから、ここのメンテナンスは慎重になる。また、つばだらけの楽器は衛生上もよくないし、濡れたままだとグラナディラ材が乾燥したときに、濡れてやわらかくなっていたままのときに逃げた部分が引っ張られて割れやすくなるという問題もあるので、濡れたままの放置もよくないし、急激な湿度の変化が繰り返される場所での保管も危険である。よく乾いた状態の場所や密閉された空間に保管しよう。しかし、野外音楽や野外練習をしたほうが良い状況も多分にあるため、外での演奏が必要になるケースも少なくない。引きこもりになってはいけない。楽器を強くするんだと言う気持ちで、ある程度過酷な状況におかれることも覚悟して人生を共にしよう。外で演奏すると風景や音の響きが違うので、息のコントロールの鍛錬になりやすい。楽器を大事にしすぎると自分自身の成長が阻害されるパターンもある。過酷な状況にまで付き合うのが親友ならば、過酷な練習につきあってくれるのが愛器といえるのではなかろうか?だから、きびしい環境に連れ出す勇気といたわる心。この二つが重要だと思う。
- 楽器のせいにしてはいけない。
- 楽器の個性はかなりある。かなりあるが、基本的には自分で何がいけないのか理解する必要がある。それも含めて、楽器のせいにするのはやめよう。見た目がだめでも、なるやつは鳴る。銀メッキや材質がすべてではないし、聞いた人の心はそんな程度のことでは大きく変わることは無い。楽器が輝いているかどうかなんてところまで見てるひとなんて、ほとんどいません。見ている人、聞いている人は演奏している人と音くらいしか見えたり聞こえたりしてません。そして、楽器の微妙な問題は自分で解決しなければいけないが、基本的には正常に売られている楽器は鳴るし、ならないことはまずないと思っていい。リードやマウスピースを自分のあったものにしていく必要があるのは確かなことだが、基本的に楽器が悪いという状態はほとんどありえないと思っていい。むしろ、糞な楽器でも練習すればうまく鳴るし、糞な楽器から、いい楽器にかわったときに初めて微妙な変化や演奏時の楽さを体感できると思えばいい。音色にはかなり影響があるかもしれないけれど、それでも糞な楽器でもそれなりに図太いいい音は出る。そう思っていていいと思う。まずは自分の努力が必要だ。そういうふうに自分は思うようにしています。そうじゃないといくらお金があっても足りないし、練習に身が入らないし、楽器を大事にできないと思う。
- R-13に悪いやつはいない。
- そもそも18万円もする楽器。これを手にしたからには、悪いやつはまぁいない。どうせお金をだすならいい状態のモノを買えた方がいいにきまっているが、このレベルになると、楽器を作るメーカだってそれなりに確認して売り出してます。R-13に悪いやつはいないと思っていい。ゴルフもいいクラブ使った方が上達が早いし、いいことずくめだけど、微々たる差でしょう。ようは使い手しだい。気合があればなんでも出来ると思っていい。
- で、結局?
- わたしはクランポンのまわしものではありません。どこのメーカーのどこの機種を使おうと自由です。R-13が好きなのはただの偏見です。あしからず。
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