AP過去問 令和6年度秋期 午後 問2 経営戦略
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令和6年度秋期 午後 問2 経営戦略(AIプロンプト向け)
■コーヒーチェーン店の成長戦略に関する次の記述を読んで、設問に答えよ。
Q社は、コーヒーチェーン店を運営している。喫茶店業態に進出して以来、落ち着いた空間を提供することで急速に店舗を増やし、現在は全国に店舗を展開している。しかし、ここ3年は、経営環境の変化によって成長が鈍化しており、不採算店も増えている。Q社の経営企画、マーケティング及び人事を統括するR常務は、この状況に危機感を抱き、利益を伴う成長戦略を策定するために、経営企画部のS課長をリーダーとする戦略策定チームを編成した。なお、S課長は、店舗業務の標準化を推進する店舗統括本部の課長も兼務している。
Q社は、“おいしいコーヒーでゆっくりくつろげる喫茶店”というブランドを掲げ、交通至便な立地に店舗を構え、店内には仕切りがついたテーブル席を設けるなど、設備投資に注力してきた。Q社の利益は2回以上来店したことのあるリピート客を含む延べ来店客数に占めるリピート客数の割合であるリピート率も新規来店客数も低下していた。
[Q社と取り巻く環境]
Q社では、従前から、顧客満足度調査と従業員満足度調査を行っている。そこで、S課長は、戦略の立案に当たり、顧客の視点及び従業員の視点で分析を行った。
まず顧客の視点で経営環境を分析した。
・近年、持続可能な開発目標(SDGs)で定められた目標の一つである“持続可能な消費と生産パターンを確保する”への理解が進むに従い、環境や倫理を重視する製品やサービスを購入するという意識がZ世代の消費者の間で高まっている。Q社はこのような高い社会意識をもった消費者を取り込めていない。
・競合コーヒーチェーン店(以下、競合店という)が新規出店した近隣のQ社の店舗では、来店者が急激に減少している。競合店は、コーヒーの淹れ方をマニュアル化して全従業員を定期的に教育したり、社外の講師を呼んで接客スキルやセルフリーダーシップのスキルを高める研修を実施したりするなど、従業員育成への投資を重視している。
・Q社は、有機農法で栽培するなど、環境に配慮した生産者から直接調達した高品質なコーヒー豆を使っていて、味や香りが良いコーヒーに定評があった。ただし、最近の顧客満足度調査では、“店によってコーヒーの味にばらつきがある”、“味や香りが以前よりも落ちている”、といった顧客からの声が寄せられている。
S課長は、定評があるコーヒーの安定した提供や、ゆっくりくつろげる喫茶店としての接客といった、顧客へのサービス品質を向上させる必要があると分析した。
次に、S課長は、従業員の視点で経営環境を分析した。
・各店舗は店長をリーダーとする一つのチームとして運営されている。店長が部下にコーヒーの淹れ方や接客スキルなどを指導している。しかし、顧客が満足する品質のサービスを提供できるように部下を育成することまではできていない。全て店長の責任で部下の育成を行った上で、顧客が満足する品質のサービスを提供することには限界がある。
・従業員はコーヒーを淹れるスキルを高めたいと思ったり、接客の仕方を改善しようとしたりしているが、店長に相談したくても、なかなか対応してもらえない。その結果、不満をもって辞めてしまう従業員が増え、従業員の定着率が低下してきている。
・店舗統括本部の責任者、同僚の店長、店舗内の部下によって店長の360度評価を実施した結果、全般的に、店長の自己評価は高いが、部下からの評価はそれほど高くなく、両者の評価には大きなギャップがあった。
S課長は、これらの経営環境分析の結果、顧客へのサービス品質の低下には、従業員のスキルの不足と従業員の定着率の低下とが関連するのではないかと考えた。さらに、S課長は、従業員のスキル及び定着率について分析し、次のことがわかった。
・顧客へのサービス品質が高いチームは、従業員満足度が高く、それによってチームメンバーがやる気をもって自律的にスキルの向上を図っており、また、チームメンバーの定着率が高いという共通の特性がある。
・この特性を満たすためには、店長が、部下にたいして共感することで、質問・相談しやすい環境を作ることが必要である。
[成長戦略の策定]
S課長は、これまでの分析の結果を基に、成長戦略の基本方針を次のとおり定めた。
・成長戦略を実現するために重点的に取り組むべきCSF(Critical Success Factors:重要成功要因)とその因果関係を明確にする。これまでの分析の結果から、Q社の成長につながるCSF間の因果関係を、図1のQ社サービスプロフィットチェーンにまとめた。その上で、働きやすい環境や人材育成制度の充実など、従業員が会社から受けるサービスの良さを表す“自社内のサービス品質”の向上を図る。
図1 Q社のサービスプロフィットチェーンここから
図における捕捉・( )で1つの項目を表します。・(・( )と・( ))のように項目がネストすることもあります。
従業員に関するCSF間の因果関係に属するモノここから
・(自社内のサービス品質)から・([a])へ、・([a])から・(・(従業員定着率)と・(従業員のスキル))へ
従業員に関するCSF間の因果関係に属するモノここまで
・(・(従業員定着率)と・(従業員のスキル))から・(顧客へのサービス品質)へ
顧客に関するCSF間の因果関係に属するモノここから
・(顧客へのサービス品質)から・([b])へ、・([b])から・(顧客ロイヤルティ)へ、
・(顧客ロイヤルティ)から・(・(企業の成長)と・(収益の向上))へ
顧客に関するCSF間の因果関係に属するモノここまで
・(・(企業の成長)と・(収益の向上))から・(自社内のサービス品質)に戻る
図1 Q社のサービスプロフィットチェーンここまで
・持続可能な成長を目指し、また、顧客のロイヤルティを高めるために、ブランドを再構築する。新たに、“①私たちは、高い社会意識をもって、厳選された生豆と熟練の技術で淹れる香り深いコーヒーを提供します。”とブランドを定める。
・“ブランドの再構築”によって、自社の強みを生かし、弱みを補完して、競合店との差別化を図る。また、“初めて来店してから、店に来店しなくなるまでの [c] ”を表すLTVを向上させることで、採算性を改善する。
S課長は、このサービスプロフィットチェーンに基づいて、従業員の定着率の改善とスキルの向上のためには、[a] を高める必要があり、さらにそのためには自社内のサービス品質の改善が必要であることをR常務に報告した。また、S課長は、ゴールである“利益を伴う成長”の実現を目指す成長戦略の進捗を図るKPIとして、Z世代の来店客数と、[d] を設定することにした。
[Q社内のサービス品質の改善]
S課長は、自社内のサービス品質を改善するため、店長への研修を実施することにした。研修の内容は、店長の360度評価の結果を基に、店長に対して [e] に気付かせ、行動改善につなげるものとし、部下との対話の場面を想定した次の具体的な演習を行う。
・店長は部下に対して“教える”、“アドバイスする”ことはせず、“問いかけて聴く”という対話を重視する。
・店長は部下に対する [f] を示すことで、部下から様々な考え方や行動の選択肢を引き出し、自律的な行動を促す。
S課長は、ブランドの再構築の活動として、再教育を全従業員に対して行うことにした。この再教育に当たって、S課長は、②店舗統括本部として重点的に取り組むべき施策があると考えた。また、ブランドの再構築への投資に加えて、人的資本を強化する新たな投資計画を策定した。
R常務は、この報告を受け、“君の策定した戦略はよく考えられていて、納得できた。そのアプローチは本当に良いと思う。”とS課長に [f] を示した上で、すぐに経営会議に付議し、成長戦略を推進することを約束した。
設問1 [成長戦略の策定]について答えよ。
- (1) 図1及び本文中の [a] 、図1中の [b] に入れる適切な字句を、本文中の字句を用いて、それぞれ8字以内で答えよ。
- (2) 本文中の下線①について、S課長が新たにブランドを定めた背景となる要因は何か。機会と強みの観点からそれぞれ20字以内で答えよ。
- (3) 本文中の [c] に入れる適切な字句を15字以内で答えよ。
- (4) 本文中の [d] に入れる適切な字句を8字以内で答えよ。
設問2 [Q社内のサービス品質の改善]について答えよ。
- (1) 本文中の [e] に入れる適切な字句を20字以内で答えよ。
- (2) 本文中の [f] に入れる適切な字句を3字以内で答えよ。
- (3) 本文中の下線②について、店舗統括本部が、再構築したブランドを考慮して重点的に取り組むべき施策を、本文中の字句を用いて25字以内で答えよ。
令和6年度秋期 午後 問2 経営戦略(問題原文)
■コーヒーチェーン店の成長戦略に関する次の記述を読んで、設問に答えよ。
Q社は、コーヒーチェーン店を運営している。喫茶店業態に進出して以来、落ち着いた空間を提供することで急速に店舗を増やし、現在は全国に店舗を展開している。しかし、ここ3年は、経営環境の変化によって成長が鈍化しており、不採算店も増えている。Q社の経営企画、マーケティング及び人事を統括するR常務は、この状況に危機感を抱き、利益を伴う成長戦略を策定するために、経営企画部のS課長をリーダーとする戦略策定チームを編成した。なお、S課長は、店舗業務の標準化を推進する店舗統括本部の課長も兼務している。
Q社は、“おいしいコーヒーでゆっくりくつろげる喫茶店”というブランドを掲げ、交通至便な立地に店舗を構え、店内には仕切りがついたテーブル席を設けるなど、設備投資に注力してきた。Q社の利益は2回以上来店したことのあるリピート客を含む延べ来店客数に占めるリピート客数の割合であるリピート率も新規来店客数も低下していた。
[Q社と取り巻く環境]
Q社では、従前から、顧客満足度調査と従業員満足度調査を行っている。そこで、S課長は、戦略の立案に当たり、顧客の視点及び従業員の視点で分析を行った。
まず顧客の視点で経営環境を分析した。
・近年、持続可能な開発目標(SDGs)で定められた目標の一つである“持続可能な消費と生産パターンを確保する”への理解が進むに従い、環境や倫理を重視する製品やサービスを購入するという意識がZ世代の消費者の間で高まっている。Q社はこのような高い社会意識をもった消費者を取り込めていない。
・競合コーヒーチェーン店(以下、競合店という)が新規出店した近隣のQ社の店舗では、来店者が急激に減少している。競合店は、コーヒーの淹れ方をマニュアル化して全従業員を定期的に教育したり、社外の講師を呼んで接客スキルやセルフリーダーシップのスキルを高める研修を実施したりするなど、従業員育成への投資を重視している。
・Q社は、有機農法で栽培するなど、環境に配慮した生産者から直接調達した高品質なコーヒー豆を使っていて、味や香りが良いコーヒーに定評があった。ただし、最近の顧客満足度調査では、“店によってコーヒーの味にばらつきがある”、“味や香りが以前よりも落ちている”、といった顧客からの声が寄せられている。
S課長は、定評があるコーヒーの安定した提供や、ゆっくりくつろげる喫茶店としての接客といった、顧客へのサービス品質を向上させる必要があると分析した。
次に、S課長は、従業員の視点で経営環境を分析した。
・各店舗は店長をリーダーとする一つのチームとして運営されている。店長が部下にコーヒーの淹れ方や接客スキルなどを指導している。しかし、顧客が満足する品質のサービスを提供できるように部下を育成することまではできていない。全て店長の責任で部下の育成を行った上で、顧客が満足する品質のサービスを提供することには限界がある。
・従業員はコーヒーを淹れるスキルを高めたいと思ったり、接客の仕方を改善しようとしたりしているが、店長に相談したくても、なかなか対応してもらえない。その結果、不満をもって辞めてしまう従業員が増え、従業員の定着率が低下してきている。
・店舗統括本部の責任者、同僚の店長、店舗内の部下によって店長の360度評価を実施した結果、全般的に、店長の自己評価は高いが、部下からの評価はそれほど高くなく、両者の評価には大きなギャップがあった。
S課長は、これらの経営環境分析の結果、顧客へのサービス品質の低下には、従業員のスキルの不足と従業員の定着率の低下とが関連するのではないかと考えた。さらに、S課長は、従業員のスキル及び定着率について分析し、次のことがわかった。
・顧客へのサービス品質が高いチームは、従業員満足度が高く、それによってチームメンバーがやる気をもって自律的にスキルの向上を図っており、また、チームメンバーの定着率が高いという共通の特性がある。
・この特性を満たすためには、店長が、部下にたいして共感することで、質問・相談しやすい環境を作ることが必要である。
[成長戦略の策定]
S課長は、これまでの分析の結果を基に、成長戦略の基本方針を次のとおり定めた。
・成長戦略を実現するために重点的に取り組むべきCSF(Critical Success Factors:重要成功要因)とその因果関係を明確にする。これまでの分析の結果から、Q社の成長につながるCSF間の因果関係を、図1のQ社サービスプロフィットチェーンにまとめた。その上で、働きやすい環境や人材育成制度の充実など、従業員が会社から受けるサービスの良さを表す“自社内のサービス品質”の向上を図る。
・持続可能な成長を目指し、また、顧客のロイヤルティを高めるために、ブランドを再構築する。新たに、“①私たちは、高い社会意識をもって、厳選された生豆と熟練の技術で淹れる香り深いコーヒーを提供します。”とブランドを定める。
・“ブランドの再構築”によって、自社の強みを生かし、弱みを補完して、競合店との差別化を図る。また、“初めて来店してから、店に来店しなくなるまでの c ”を表すLTVを向上させることで、採算性を改善する。
S課長は、このサービスプロフィットチェーンに基づいて、従業員の定着率の改善とスキルの向上のためには、a を高める必要があり、さらにそのためには自社内のサービス品質の改善が必要であることをR常務に報告した。また、S課長は、ゴールである“利益を伴う成長”の実現を目指す成長戦略の進捗を図るKPIとして、Z世代の来店客数と、d を設定することにした。
[Q社内のサービス品質の改善]
S課長は、自社内のサービス品質を改善するため、店長への研修を実施することにした。研修の内容は、店長の360度評価の結果を基に、店長に対して e に気付かせ、行動改善につなげるものとし、部下との対話の場面を想定した次の具体的な演習を行う。
・店長は部下に対して“教える”、“アドバイスする”ことはせず、“問いかけて聴く”という対話を重視する。
・店長は部下に対する f を示すことで、部下から様々な考え方や行動の選択肢を引き出し、自律的な行動を促す。
S課長は、ブランドの再構築の活動として、再教育を全従業員に対して行うことにした。この再教育に当たって、S課長は、②店舗統括本部として重点的に取り組むべき施策があると考えた。また、ブランドの再構築への投資に加えて、人的資本を強化する新たな投資計画を策定した。
R常務は、この報告を受け、“君の策定した戦略はよく考えられていて、納得できた。そのアプローチは本当に良いと思う。”とS課長に f を示した上で、すぐに経営会議に付議し、成長戦略を推進することを約束した。
設問1 [成長戦略の策定]について答えよ。
- (1) 図1及び本文中の a 、図1中の b に入れる適切な字句を、本文中の字句を用いて、それぞれ8字以内で答えよ。
- (2) 本文中の下線①について、S課長が新たにブランドを定めた背景となる要因は何か。機会と強みの観点からそれぞれ20字以内で答えよ。
- (3) 本文中の c に入れる適切な字句を15字以内で答えよ。
- (4) 本文中の d に入れる適切な字句を8字以内で答えよ。
設問2 [Q社内のサービス品質の改善]について答えよ。
- (1) 本文中の e に入れる適切な字句を20字以内で答えよ。
- (2) 本文中の f に入れる適切な字句を3字以内で答えよ。
- (3) 本文中の下線②について、店舗統括本部が、再構築したブランドを考慮して重点的に取り組むべき施策を、本文中の字句を用いて25字以内で答えよ。
回答・解説
設問1 (1)図1中のaとbを答える問題ですが、図1はS課長の分析をまとめているので、分析と図とのつじつまを合わせる作業です。aは・(自社内のサービス品質)がaに繋がり、aによって、・(従業員定着率)と・(従業員のスキル)を変化させるものです。
サービス品質が高いチームは、従業員満足度が高く、それによってチームメンバーがやる気をもって自律的にスキルの向上を図っており、また、チームメンバーの定着率が高い
とあるので、・(サービス品質)→・(従業員満足度)→・(従業員定着率)・(従業員のスキル)という関連を示唆しています。したがって
a 従業員満足度
が答えです。
S課長が「顧客へのサービス品質を向上させる必要性」を指摘しており、これが顧客満足度を高め、最終的に企業成長や収益向上に寄与することを示唆しています。
また、顧客満足度が高いと、リピート率が上がり、顧客ロイヤルティに直接的な影響を与えるという流れが見られます。したがって
b 顧客満足度
が答えです。顧客の視点の分析には直接、記述されていない流れなので、これは難しい部類の問題だと思います。しかし、Q社と取り巻く環境のセクションの最初に顧客満足度と従業員満足度が並べて記述されているので、対比として当てはまるかなと考えが巡らせることができれば答えれたかもしれません。
(2)
市場の背景とその強みを答える問題です。背景が描写されている部分を抜き出してみましょう。
近年、持続可能な開発目標(SDGs)で定められた目標の一つである“持続可能な消費と生産パターンを確保する”への理解が進むに従い、環境や倫理を重視する製品やサービスを購入するという意識がZ世代の消費者の間で高まっている。Q社はこのような高い社会意識をもった消費者を取り込めていない。
競合コーヒーチェーン店(以下、競合店という)が新規出店した近隣のQ社の店舗では、来店者が急激に減少している。
というのが背景ですが、それに対する強みがあるのは、
Q社は、有機農法で栽培するなど、環境に配慮した生産者から直接調達した高品質なコーヒー豆を使っていて、味や香りが良いコーヒーに定評があった。
という部分です。そうすると機会の方も有機農法が有利には働く背景なので、
環境や倫理を重視する製品やサービスを購入するという意識がZ世代の消費者の間で高まっている。Q社はこのような高い社会意識をもった消費者
という部分から20文字を抜き出せばよいです。したがって、
1 5 10 11 20
機会:環境や倫理を重視する 社会意識の高まり(18文字)
そして強みは
1 5 10 11 20
強み:環境に配慮した高品質 なコーヒー豆(16文字)
となります。
長文の中で背景と強みを探すのは難しい作業です。環境というキーワードに対応する強みと背景があったなぁと問題を読みながら理解できたら答えれたと思います。高度な日本語の理解力の問題ですね。
(3)
“初めて来店してから、店に来店しなくなるまでの c”を表すLTVを向上させることで、採算性を改善する。
の穴埋めです。LTVはLifeTime Valueのことで、顧客生涯価値のことです。なんの説明もしてくれないので、LTVの意味の理解も少し試されている問題なのかもしれません。ちなみに管理人はLTV?何?って感じでした。顧客の生涯価値を向上させることで採算性を向上させるという意味の語句になります。15字以内です。顧客生涯価値とは、顧客が特定の企業やブランドにおいて、初めて取引を開始してから取引が終了するまでに企業にもたらす収益の総額です。したがって、顧客が生み出す総利益など総利益や利益というキーワードと15字で説明するので、何が生み出す利益のことかを説明するといいと思います。したがって、
1 5 10 11 15
c 一人の顧客が生み出す 総利益(13文字)
が答えです。この問題はLTVが何かピンと来ないとダメでその意味をしっかり理解していないといけないものなのでかなり難しい問いだったと思います。
(4)
ゴールである“利益を伴う成長”の実現を目指す成長戦略の進捗を図るKPIとして、Z世代の来店客数と、dを設定
の穴埋め問題です。
KPIはKey Performance Indicator(重要業績評価指標)のことで、BSC(Balanced ScoreCard)のような財務の視点、顧客の視点、業務プロセスの視点、成長・学習の視点の4つの区分でバランスよく設定する目標設定と同じようなものです。その目標として何を設定するかという問題ですが、本文中から抜き出すと、顧客満足度という指標と、リピート率という指標が入りそうです。顧客満足度はどちらかというと、違う指標から導き出すものなので、より具体的なリピート率が適切だと考えます。したがって
1 5 8
d リピート率(5文字)
が答えです。5文字で答えよの方が答えやすいのにね。いやらしい問題です。本文中の語句という指定がないので、さらにいやらしいですが、独自の発想で、顧客再来店率とかにしても正解になるでしょう。
設問2
(1)
研修の内容は、店長の360度評価の結果を基に、店長に対して[e]に気付かせ
という穴埋の問題です。これは問題の本文中にも店長が自身で気づけていない事象が記述にあります。
店長の360度評価を実施した結果、全般的に、店長の自己評価は高いが、部下からの評価はそれほど高くなく、両者の評価には大きなギャップがあった。
とある部分から20字で要約すると良いことがわかります。したがって
1 5 10 11 20
e 店長の自己評価と部下 の店長の評価との差(5文字)
が答えになります。本文中に360度評価というキーワードがあるので、探しやすくはなっていたと思います。高度な日本語文章読解問題だったと言えると思います。
(2)
店長は部下に対する [f] を示す。あるいはR常務は…S課長に [f] を示した上
という部分に共通する語句の穴埋め問題です。3文字以内と短い単語が入ることが予想されます。
上司が部下に対して示すもので、これは本文中にも具体的に何かという記述がありますが、問題では本文中からという指示がないので見つけ出すのは難しいかもしれません。自分で考えめぐらした言葉だとある程度の数が存在しそうな答えになります。例えば敬意とか、愛情とか、同意とかね。そういう系統の相手を想う気持ち的な熟語が候補になります。でもどれもしっくりはきません。何かいい表現というか答えに直結する表現はなかったか?本文にそういう表現はなかったかを振り返ることができれば、以下のような部分があったことに気付けるかもしれません。
この特性を満たすためには、店長が、部下にたいして共感することで、質問・相談しやすい環境を作ることが必要である。
この部分で部下にたいして共感することでと記述があります。したがって
1 3
f 共感(2文字)
が答えです。
(3)
下線②ブランドを考慮して重点的に取り組むべき施策を25字以内で考える部分ですが、良い豆を使うことや、コーヒーの淹れ方、従業員のスキルアップや店長が部下に共感するだとか、“問いかけて聴く”という対話するとか、部下から様々な考え方や行動の選択肢を引き出し、自律的な行動を促すとか、あるいは高い社会意識をもって、厳選された生豆と熟練の技術で淹れる香り深いコーヒーを提供します。とも言っていますし、競合店がやっている、コーヒーの淹れ方をマニュアル化して全従業員を定期的に教育しているというのも取り組むべき施策と言えます。この長い文章の中でこれだけの施策があって、どれが重点的に取り組むべき施策といえるのかは非常に難しいし25字にまとめるのは至難の業に思えます。結局、競合店がやっている部分に全てが集約されているようにも思えるので、以下のような答えが適切だと思われます。
1 5 10 11 20
コーヒーの淹れ方をマ ニュアル化し従業員を
教育する(24文字)
21 25
が答えです。他店と同じことをやることが今回の結論になっているように思えます。これでは、他店に追いつくだけで、追い越すことは難しく、豆の良さを最大限に引き出すところだけで経営が改善するとは思えませんが、本文にはここまでしか書かれていないので、これを答えとするしかなさそうです。落ち着いた雰囲気、有機栽培の豆は以前から使ってはいるわけで、これという一手は打ててないように思えます。店の改装でもして落ち着いた雰囲気を向上させたりする努力が必要な気がします。店の雰囲気で入ろうか入らまいか決めるのは多くの人に言えることだと思いますし、その上で、味や値段、回転率で勝負しないといけないと思います。落ち着いた雰囲気も大事ですが、短時間で、落ち着いた感が味わえる内装で、満足のいく味と目玉の一品料理(お菓子系デザート系?パン系)の開発が必要なのではないでしょうか。コーヒーの違いがわかる人ってのは少ないので最低限おいしいと思えるコーヒーの開発も必要です。有機栽培してるからとか、高級な豆を使えばいいってものでもありません。コーヒー店の経営は難しいのです。
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