AP過去問 令和6年度秋期 午後 問10 サービスマネジメント
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令和6年度秋期 午後 問10 サービスマネジメント(AIプロンプト向け)
■サービスデスクの立上げに関する次の記述を読んで、設問に答えよ。
B社は、中堅の電子機器販売会社で、全国に営業拠点がある。B社の営業部は、営業拠点に営業員を配置し、商品を販売している。販売数は順調に増加しているので、今後、営業員の増員を予定している。B社のシステム部サービス課は、営業支援システム(以下、本システムという)の設計、開発及び運用を行っており、本システムを営業支援サービス(以下、本サービスという)として利用者である営業員に提供している。また、サービス課は、サービスマネジメント活動を行っており、それぞれの活動に管理プロセスを定めている。サービス課に所属するC君はD課長の下でサービスマネージャを務めており、管理プロセスのマネジメントを行っている。サービスマネジメントの主な管理プロセスを表1に示す。
<div align="center">表1 サービスマネジメントの主な管理プロセス</div>
<table width="100%" border="2" style="border-collapse: collapse;border-style: solid">
<tr>
<td align="center" style="border: 2px solid; width: 3em;">項番</td>
<td align="center" style="border: 2px solid; width: 8em;">管理プロセス</td>
<td align="center" style="border: 2px solid;">概要</td>
</tr>
<tr>
<td align="center" style="border: 2px solid;">1</td>
<td align="left" style="border: 2px solid;">サービス要求管理</td>
<td align="left" style="border: 2px solid;">・利用者からのサービス要求(問合せ<sup>1)</sup>や標準変更<sup>2)</sup>)の記録と実現</td>
</tr>
<tr>
<td align="center" style="border: 2px solid;">2</td>
<td align="left" style="border: 2px solid;">インシデント管理</td>
<td align="left" style="border: 2px solid;">・インシデントの解決と管理</td>
</tr>
<tr>
<td align="center" style="border: 2px solid;">3</td>
<td align="left" style="border: 2px solid;">問題管理</td>
<td align="left" style="border: 2px solid;">・問題の特定と解決</br>・インシデントの発生又は再発を防止する処置の定義</td>
</tr>
<tr>
<td align="center" style="border: 2px solid;">4</td>
<td align="left" style="border: 2px solid;">変更管理</td>
<td align="left" style="border: 2px solid;">・通常変更<sup>3)</sup>についての変更要求の受付と管理</br>・変更の実施</td>
</tr>
</table>
<div>注<sup>1)</sup>本サービスの機能や利用方法についての質問のこと。</div>
<div>注<sup>2)</sup>パスワードリセット、利用者の機器の移動など、手順が定型化されている、あらかじめ承認された変更のこと。</div>
<div>注<sup>3)</sup>標準変更以外の変更のこと。</div>
サービス要求管理については、利用者からのサービス要求を、サービス課の担当者が電話又は電子メールで受け付けている。受け付けた担当者はサービス要求を実現し、サービス要求の内容、実現した内容及び対応時間を問合せ記録簿に記録している。
サービス課では、本システムの初期リリース後も、順次、機能追加のリリースを行っている。各機能のリリース時には、利用者向けに説明会を開催し、開発の担当者が説明者となって機能の概要や利用方法の説明を行い、リリース後の問合せ先として、説明会の説明者が案内されている。
[サービス要求管理の現状と課題]
サービス要求のうち、問合せは、担当者が本サービスの操作マニュアル及び機能の詳細を記述した本システムの仕様書を参照して回答し、標準変更は、担当者が提携業務手順書を参照して実施している。なお、問合せの回答では、経験豊富な担当者は、操作マニュアル及び本システムの仕様書だけでなく暗黙知を使って問合せに短時間で回答する場合も多い。このことから、利用者からの問合せに対して最初の連絡で回答した割合(以下、一次解決率という)に、担当者間で差が出ている。また、問合せを受けてから回答までに要する時間を短縮するために、一次解決率の向上が課題となっている。今後、営業員の増員に伴いサービス課の業務量の増加が予想されているので、担当者の負荷が増大するおそれがあり、長時間残業の防止も課題となることが推測される。
そこで、サービス課は、一次解決率の向上のため、サービス課の経験豊富な担当者に指示して、問合せ記録簿に記録されている内容を基に問合せ内容、対応手順及び回答内容を整理した問合せ対応ノウハウ集を作成することにした。併せて、営業員の増員による長時間残業を防止するために、来年度からサービス課内に新たな組織としてサービスデスクを立ち上げ、そのサービスデスクでサービス要求を受け付けて実現することにした。C君がサービスデスクのサービスマネージャに任命され、立上げも行うよう指示された、サービスデスク要員はサービスデスクの業務経験が豊富な要員を新規採用し、C君の配下でサービスデスク業務を担当させることにした。
[サービスデスク立上げの検討]
D課長は、サービスデスクについて、“サービス課の業務量の増加に対応するために、業務を極力サービスデスクに移管する”とともに“一次解決率をできるだけ高くして、顧客満足を向上させる”との方針を挙げた。
C君はD課長の方針を受け、サービス要求のうち、問合せについては、サービスデスク要員が問合せ対応ノウハウ集を活用して、利用者からの問合せに対して [a] にできるようにすることで、一次解決率を向上させようと考えた。なお、サービス要求のうち、標準変更については、サービス課で現在利用している定型業務手順書を参照して、サービスデスク要員がサービス要求を実現できることを確認した。
これらを踏まえて、C君は、表2に示すサービスデスク立上げステップを定めた。
<div align="center">表2 サービスデスク立上げステップ</div>
<table width="100%" border="2" style="border-collapse: collapse;border-style: solid">
<tr>
<td align="center" style="border: 2px solid; width: 3em;">項番</td>
<td align="center" style="border: 2px solid; width: 9em;">ステップ</td>
<td align="center" style="border: 2px solid;">実施内容</td>
</tr>
<tr>
<td align="center" style="border: 2px solid;">1</td>
<td align="left" style="border: 2px solid;">サービス要求管理のプロセスの作成</td>
<td align="left" valign="top" style="border: 2px solid;">サービス課とサービスデスクが連携して、サービスデスクで行うサービス要求管理のプロセスとルールを作成する。</td>
</tr>
<tr>
<td align="center" style="border: 2px solid;">2</td>
<td align="left" style="border: 2px solid;">サービスレベル目標の決定</td>
<td align="left" valign="top" style="border: 2px solid;">サービス課と営業部とのSLA合意に先立って、サービス課と営業部でサービスレベル目標を決定する。</td>
</tr>
<tr>
<td align="center" style="border: 2px solid;">3</td>
<td align="left" style="border: 2px solid;">要員体制決定</td>
<td align="left" valign="top" style="border: 2px solid;">サービスデスクの要員体制を決定する。</td>
</tr>
<tr>
<td align="center" style="border: 2px solid;">4</td>
<td align="left" style="border: 2px solid;">ドキュメントの整備</td>
<td align="left" valign="top" style="border: 2px solid;">サービス課の経験豊富な担当者が、サービスデスク立上げ時点で必要なサービスデスク用ドキュメントを整備する。</td>
</tr>
<tr>
<td align="center" style="border: 2px solid;">5</td>
<td align="left" style="border: 2px solid;">スキルトランスファー</td>
<td align="left" valign="top" style="border: 2px solid;">サービス課の担当者からサービスデスク要員に対して、[b] を行う。</td>
</tr>
<tr>
<td align="center" style="border: 2px solid;">6</td>
<td align="left" style="border: 2px solid;">予行演習</td>
<td align="left" valign="top" style="border: 2px solid;">サービスデスクが事前検証のために、利用者を想定した予行演習を行う。</td>
</tr>
<tr>
<td align="center" style="border: 2px solid;">7</td>
<td align="left" style="border: 2px solid;">サービス開始</td>
<td align="left" valign="top" style="border: 2px solid;">サービスデスクがサービスデスク業務を開始する。</td>
</tr>
</table>
[サービスデスクで行うサービス要求管理のプロセスの作成]
C君は、表3に示すサービスデスクで行うサービス要求管理のプロセスを検討した。
<div align="center">表3 サービスデスクで行うサービス要求管理のプロセス</div>
<table width="100%" border="2" style="border-collapse: collapse;border-style: solid">
<tr>
<td align="center" style="border: 2px solid; width: 3em;">項番</td>
<td align="center" style="border: 2px solid; width: 6em;">手順</td>
<td align="center" style="border: 2px solid;">実施内容</td>
</tr>
<tr>
<td align="center" style="border: 2px solid;">1</td>
<td align="left" style="border: 2px solid;">受付</td>
<td align="left" style="border: 2px solid;">・利用者からのサービス要求を受け付け、内容を問合せ記録簿に記録する。</td>
</tr>
<tr>
<td align="center" style="border: 2px solid;">2</td>
<td align="left" style="border: 2px solid;">分類と優先順位付け</td>
<td align="left" style="border: 2px solid;">・サービス要求の内容を確認し、分類と優先順位付けを行う。</br>・サービスデスクで実現可能なサービス要求は項番3を実施する。</br>・サービスデスクで実現不可能なサービス要求は項番4を実施する。</td>
</tr>
<tr>
<td align="center" style="border: 2px solid;">3</td>
<td align="left" style="border: 2px solid;">サービス要求の実現</td>
<td align="left" style="border: 2px solid;">・問合せについて、操作マニュアル、[c] を参照して回答する。標準変更については、提携業務手順書に従って実施する。</br>・サービス要求が実現できた場合は、項番5を実施する。実施できなかった場合は、項番4を実施する。</td>
</tr>
<tr>
<td align="center" style="border: 2px solid;">4</td>
<td align="left" style="border: 2px solid;">エスカレーションの実施</td>
<td align="left" style="border: 2px solid;">・C君に対応をエスカレーションする。C君が割り当てたサービス課の担当者が対応を行った後、サービス課の担当者から対応結果の回答を受け、対応内容を確認する。</td>
</tr>
<tr>
<td align="center" style="border: 2px solid;">5</td>
<td align="left" style="border: 2px solid;">サービス要求実現の確認</td>
<td align="left" style="border: 2px solid;">・利用者にサービス要求が実現できたことを確認する。</br>・実現できている場合は、項番6を行う。実現できていない場合は、項番2から再度実行する。</td>
</tr>
<tr>
<td align="center" style="border: 2px solid;">6</td>
<td align="left" style="border: 2px solid;">終了</td>
<td align="left" style="border: 2px solid;">・必要に応じて、問合せ対応ノウハウ集の項目追加又は更新を行う。</br>・問合せ記録簿の記録を更新し、終了する。</td>
</tr>
</table>
C君は、表3をD課長にレビューしてもらい、質問と指示を受けた。そのときのD課長とC君の会話を次に示す。
D課長:項番3で標準変更については、現状の定型業務手順書を使うことになっているが、サービスデスク要員で対応可能ですか。
C君:定型業務手順書は、よく整理されており、対応可能です。
D課長:①<u>サービス課の担当者が行っている業務に定型化できるものがないかを調査</u>してください。
C君:調査して報告します。
その後、C君は指示された調査を実施して、D課長に報告して了承された。
[サービスレベル目標の決定]
サービス課と営業部とのSLA合意に先立って、サービス課内部で会議を開催した。会議の中で、SLAには、サービスデスクの稼働時間、コミュニケーション手段、サービス要求の実現に要する平均時間のほか、サービス要求件数の上限の取決めが必要であることを確認した。今後、内容を整理して営業部と協議することになった。
また、会議の中でD課長から、“営業部と合意するサービス要求の実現に要する平均時間に関して、内部指標を設定して管理する。内部指標として問合せについては、②<u>現状のサービス要求管理における課題の解消状況が分かるKPIを設定</u>して管理を行い、顧客満足を上げていく。”との説明があった。
[要員体制決定]
C君は、来年度のサービスデスクの要員体制を決定するために、サービスデスク要員の工数を算出することにした。そこで、問合せ記録簿からサービス要求管理に要した対応時間を調査した。現状の平均サービス要求件数と平均対応時間を表4に示す。
<div align="center">表4 現状の平均サービス要求件数と平均対応時間</div>
<table width="100%" border="2" style="border-collapse: collapse;border-style: solid">
<tr>
<td align="center" style="border: 2px solid; width: 3em;">項番</td>
<td align="center" style="border: 2px solid;">サービス要求の内容</td>
<td align="center" style="border: 2px solid; width: 10em;">平均サービス要求件数</br>(件/日)</td>
<td align="center" style="border: 2px solid; width: 6em;">平均対応時間</br>(件/日)</td>
</tr>
<tr>
<td align="center" style="border: 2px solid;">1</td>
<td align="left" style="border: 2px solid;">問合せ(機能についての質問)</td>
<td align="right" style="border: 2px solid;">24</td>
<td align="right" style="border: 2px solid;">10</td>
</tr>
<tr>
<td align="center" style="border: 2px solid;">2</td>
<td align="left" style="border: 2px solid;">問合せ(利用方法についての質問)</td>
<td align="right" style="border: 2px solid;">15</td>
<td align="right" style="border: 2px solid;">20</td>
</tr>
<tr>
<td align="center" style="border: 2px solid;">3</td>
<td align="left" style="border: 2px solid;">標準変更(定型業務手順の実施依頼)</td>
<td align="right" style="border: 2px solid;">8</td>
<td align="right" style="border: 2px solid;">20</td>
</tr>
</table>
C君は、表4に加え次の条件を前提として、③<u>1日当たりに必要な工数を算出</u>した。ここで、1人の要員は、1日に8時間の対応時間が確保できるものとする。
・要員は一つのサービス要求に対応している間は、その対応に専念する。
・来年度のサービス要求件数は、営業員の増員によって表4に示す平均サービス要求件数がいずれも現状より2割増加する見込みである。
・サービス要求の集中度合いを考慮して、算出された工数に2割の余裕を確保する。
なお、サービスデスクの要員数については、工数に加えて、勤務体制、稼働率、エスカレーションの割合、採用する要因の技能などを考慮して決定することにした。
設問1 [サービスデスク立上げ検討]について答えよ。
(1) 本文中の [a] に入れる適切な字句を、本文中の字句を用いて10字以内で答えよ。
(2) 表2中の [b] に入れる適切な字句を、20字以内で答えよ。
設問2 [サービスデスクで行うサービス要求管理のプロセス作成]について答えよ。
(1) 表3中の [c] に入れる適切な字句を15字以内で答えよ。
(2) D課長が、本文中の下線①の調査を指示した目的は何か。D課長の方針を踏まえて35字以内で答えよ。また、この目的を達成するために有効な調査内容を、表1中の字句を用いて35字以内で答えよ。
設問3 [サービスレベル目標の決定]について、下線②のKPIの内容を10字以内で答えよ。
設問4 [要員体制決定]について、下線③の1日当たりに必要な工数は、何人日かを答えよ。なお、計算結果に小数が発生する場合は、答えは小数第1位を切り上げて整数で求めよ。
令和6年度秋期 午後 問10 サービスマネジメント(問題原文)
■サービスデスクの立上げに関する次の記述を読んで、設問に答えよ。
B社は、中堅の電子機器販売会社で、全国に営業拠点がある。B社の営業部は、営業拠点に営業員を配置し、商品を販売している。販売数は順調に増加しているので、今後、営業員の増員を予定している。B社のシステム部サービス課は、営業支援システム(以下、本システムという)の設計、開発及び運用を行っており、本システムを営業支援サービス(以下、本サービスという)として利用者である営業員に提供している。また、サービス課は、サービスマネジメント活動を行っており、それぞれの活動に管理プロセスを定めている。サービス課に所属するC君はD課長の下でサービスマネージャを務めており、管理プロセスのマネジメントを行っている。サービスマネジメントの主な管理プロセスを表1に示す。
項番 | 管理プロセス | 概要 |
1 | サービス要求管理 | ・利用者からのサービス要求(問合せ1)や標準変更2))の記録と実現 |
2 | インシデント管理 | ・インシデントの解決と管理 |
3 | 問題管理 | ・問題の特定と解決 ・インシデントの発生又は再発を防止する処置の定義 |
4 | 変更管理 | ・通常変更3)についての変更要求の受付と管理 ・変更の実施 |
サービス要求管理については、利用者からのサービス要求を、サービス課の担当者が電話又は電子メールで受け付けている。受け付けた担当者はサービス要求を実現し、サービス要求の内容、実現した内容及び対応時間を問合せ記録簿に記録している。
サービス課では、本システムの初期リリース後も、順次、機能追加のリリースを行っている。各機能のリリース時には、利用者向けに説明会を開催し、開発の担当者が説明者となって機能の概要や利用方法の説明を行い、リリース後の問合せ先として、説明会の説明者が案内されている。
[サービス要求管理の現状と課題]
サービス要求のうち、問合せは、担当者が本サービスの操作マニュアル及び機能の詳細を記述した本システムの仕様書を参照して回答し、標準変更は、担当者が提携業務手順書を参照して実施している。なお、問合せの回答では、経験豊富な担当者は、操作マニュアル及び本システムの仕様書だけでなく暗黙知を使って問合せに短時間で回答する場合も多い。このことから、利用者からの問合せに対して最初の連絡で回答した割合(以下、一次解決率という)に、担当者間で差が出ている。また、問合せを受けてから回答までに要する時間を短縮するために、一次解決率の向上が課題となっている。今後、営業員の増員に伴いサービス課の業務量の増加が予想されているので、担当者の負荷が増大するおそれがあり、長時間残業の防止も課題となることが推測される。
そこで、サービス課は、一次解決率の向上のため、サービス課の経験豊富な担当者に指示して、問合せ記録簿に記録されている内容を基に問合せ内容、対応手順及び回答内容を整理した問合せ対応ノウハウ集を作成することにした。併せて、営業員の増員による長時間残業を防止するために、来年度からサービス課内に新たな組織としてサービスデスクを立ち上げ、そのサービスデスクでサービス要求を受け付けて実現することにした。C君がサービスデスクのサービスマネージャに任命され、立上げも行うよう指示された、サービスデスク要員はサービスデスクの業務経験が豊富な要員を新規採用し、C君の配下でサービスデスク業務を担当させることにした。
[サービスデスク立上げの検討]
D課長は、サービスデスクについて、“サービス課の業務量の増加に対応するために、業務を極力サービスデスクに移管する”とともに“一次解決率をできるだけ高くして、顧客満足を向上させる”との方針を挙げた。
C君はD課長の方針を受け、サービス要求のうち、問合せについては、サービスデスク要員が問合せ対応ノウハウ集を活用して、利用者からの問合せに対して a にできるようにすることで、一次解決率を向上させようと考えた。なお、サービス要求のうち、標準変更については、サービス課で現在利用している定型業務手順書を参照して、サービスデスク要員がサービス要求を実現できることを確認した。
これらを踏まえて、C君は、表2に示すサービスデスク立上げステップを定めた。
項番 | ステップ | 実施内容 |
1 | サービス要求管理のプロセスの作成 | サービス課とサービスデスクが連携して、サービスデスクで行うサービス要求管理のプロセスとルールを作成する。 |
2 | サービスレベル目標の決定 | サービス課と営業部とのSLA合意に先立って、サービス課と営業部でサービスレベル目標を決定する。 |
3 | 要員体制決定 | サービスデスクの要員体制を決定する。 |
4 | ドキュメントの整備 | サービス課の経験豊富な担当者が、サービスデスク立上げ時点で必要なサービスデスク用ドキュメントを整備する。 |
5 | スキルトランスファー | サービス課の担当者からサービスデスク要員に対して、b を行う。 |
6 | 予行演習 | サービスデスクが事前検証のために、利用者を想定した予行演習を行う。 |
7 | サービス開始 | サービスデスクがサービスデスク業務を開始する。 |
[サービスデスクで行うサービス要求管理のプロセスの作成]
C君は、表3に示すサービスデスクで行うサービス要求管理のプロセスを検討した。
項番 | 手順 | 実施内容 |
1 | 受付 | ・利用者からのサービス要求を受け付け、内容を問合せ記録簿に記録する。 |
2 | 分類と優先順位付け | ・サービス要求の内容を確認し、分類と優先順位付けを行う。 ・サービスデスクで実現可能なサービス要求は項番3を実施する。 ・サービスデスクで実現不可能なサービス要求は項番4を実施する。 |
3 | サービス要求の実現 | ・問合せについて、操作マニュアル、c を参照して回答する。標準変更については、提携業務手順書に従って実施する。 ・サービス要求が実現できた場合は、項番5を実施する。実施できなかった場合は、項番4を実施する。 |
4 | エスカレーションの実施 | ・C君に対応をエスカレーションする。C君が割り当てたサービス課の担当者が対応を行った後、サービス課の担当者から対応結果の回答を受け、対応内容を確認する。 |
5 | サービス要求実現の確認 | ・利用者にサービス要求が実現できたことを確認する。 ・実現できている場合は、項番6を行う。実現できていない場合は、項番2から再度実行する。 |
6 | 終了 | ・必要に応じて、問合せ対応ノウハウ集の項目追加又は更新を行う。 ・問合せ記録簿の記録を更新し、終了する。 |
C君は、表3をD課長にレビューしてもらい、質問と指示を受けた。そのときのD課長とC君の会話を次に示す。
D課長:項番3で標準変更については、現状の定型業務手順書を使うことになっているが、サービスデスク要員で対応可能ですか。
C君:定型業務手順書は、よく整理されており、対応可能です。
D課長:①サービス課の担当者が行っている業務に定型化できるものがないかを調査してください。
C君:調査して報告します。
その後、C君は指示された調査を実施して、D課長に報告して了承された。
[サービスレベル目標の決定]
サービス課と営業部とのSLA合意に先立って、サービス課内部で会議を開催した。会議の中で、SLAには、サービスデスクの稼働時間、コミュニケーション手段、サービス要求の実現に要する平均時間のほか、サービス要求件数の上限の取決めが必要であることを確認した。今後、内容を整理して営業部と協議することになった。
また、会議の中でD課長から、“営業部と合意するサービス要求の実現に要する平均時間に関して、内部指標を設定して管理する。内部指標として問合せについては、②現状のサービス要求管理における課題の解消状況が分かるKPIを設定して管理を行い、顧客満足を上げていく。”との説明があった。
[要員体制決定]
C君は、来年度のサービスデスクの要員体制を決定するために、サービスデスク要員の工数を算出することにした。そこで、問合せ記録簿からサービス要求管理に要した対応時間を調査した。現状の平均サービス要求件数と平均対応時間を表4に示す。
項番 | サービス要求の内容 | 平均サービス要求件数 (件/日) |
平均対応時間 (件/日) |
1 | 問合せ(機能についての質問) | 24 | 10 |
2 | 問合せ(利用方法についての質問) | 15 | 20 |
3 | 標準変更(定型業務手順の実施依頼) | 8 | 20 |
C君は、表4に加え次の条件を前提として、③1日当たりに必要な工数を算出した。ここで、1人の要員は、1日に8時間の対応時間が確保できるものとする。
・要員は一つのサービス要求に対応している間は、その対応に専念する。
・来年度のサービス要求件数は、営業員の増員によって表4に示す平均サービス要求件数がいずれも現状より2割増加する見込みである。
・サービス要求の集中度合いを考慮して、算出された工数に2割の余裕を確保する。
なお、サービスデスクの要員数については、工数に加えて、勤務体制、稼働率、エスカレーションの割合、採用する要因の技能などを考慮して決定することにした。
設問1 [サービスデスク立上げ検討]について答えよ。
(1) 本文中の a に入れる適切な字句を、本文中の字句を用いて10字以内で答えよ。
(2) 表2中の b に入れる適切な字句を、20字以内で答えよ。
設問2 [サービスデスクで行うサービス要求管理のプロセス作成]について答えよ。
(1) 表3中の c に入れる適切な字句を15字以内で答えよ。
(2) D課長が、本文中の下線①の調査を指示した目的は何か。D課長の方針を踏まえて35字以内で答えよ。また、この目的を達成するために有効な調査内容を、表1中の字句を用いて35字以内で答えよ。
設問3 [サービスレベル目標の決定]について、下線②のKPIの内容を10字以内で答えよ。
設問4 [要員体制決定]について、下線③の1日当たりに必要な工数は、何人日かを答えよ。なお、計算結果に小数が発生する場合は、答えは小数第1位を切り上げて整数で求めよ。
回答・解説
設問1
(1)
サービス要求のうち、問合せについては、サービスデスク要員が問合せ対応ノウハウ集を活用して、利用者からの問合せに対して [a] にできるようにすることで、一次解決率を向上させようと考えた。というところの穴埋めです。
一次解決率を向上させるのは一次解決の手法ができるということで、一次解決の手法について記述するとよいです。10字以内です。
問題文に一次解決について、利用者からの問合せに対して最初の連絡で回答した割合(以下、一次解決率という)に、という記述があるので、
この部分から抜き出すと、穴埋めによく当てはまる文章になりそうです。したがって
1 5 10
a 最初の連絡で回答(8文字)
が回答です。
(2)
表2の中のスキルトランスファーのステップの実施内容で、サービス課の担当者からサービスデスク要員に対して、[b] を行う。の穴埋めです。20字以内なので、かなり長めの文章の穴埋めです。ですが、実施するのは、表のひとつ前のステップにサービス課の経験豊富な担当者が、サービスデスク立上げ時点で必要なサービスデスク用ドキュメントを整備する。とあるので、そのひとつ前で整備したものについて、説明と教育をすることだとわかるので、
1 5 10 11 20
b サービスデスク用ドキ ュメントの説明と教育(20文字)
が回答です。うまく当てはまりました。
設問2
(2)
表3のサービスデスクで行う業務ステップ3のサービス要求の実現にあたる実施内容の問合せについて、操作マニュアル、[c] を参照して回答する。の穴埋めです。
操作マニュアルと何かを参照して回答するので操作マニュアルと同等の役割の何かを15文字くらいのもので探します。対応手順及び回答内容を整理した問合せ対応ノウハウ集を作成することにしたとあったり、問合せについては、サービスデスク要員が問合せ対応ノウハウ集を活用とあったりするので、
1 5 10 11 15
c 問合せ対応ノウハウ集(10文字)
が回答です。10文字で回答でいいのに15文字にするところはやらしいですね。そんな長い奴で候補になるやつ無いやん。
(2)
ひとつの設問で2個の文章を答えさせる問題になっています。サービス課の担当者が行っている業務に定型化できるものは無いかということについて、指示した目的と目的を達成するために有効な調査内容の二つですね。35文字。結構長い文章の目的があって、調査内容も長い。なんでしょうね。今回の定型化の他にも定型化できるものはないか?といっているので、そこのところの理由が目的ですね。本文中にはサービスデスクについて、“サービス課の業務量の増加に対応するために、業務を極力サービスデスクに移管する”とともに“一次解決率をできるだけ高くして、顧客満足を向上させる”との方針を挙げた。とあるので、このうちの前者が更に定型化できるものはないかといっている理由になりそうです。
調査するべきことは、もともとどのような業務があったかを本文から探して、定型化できるかの調査をすればいいことになります。表1がもともとの業務になっています。ものすごい沢山あります。サービス要求管理、インシデント管理、問題管理、変更管理の業務があるので、長くなりすぎます。どうしましょ。やってみましょか。サービス要求管理、インシデント管理、問題管理、変更管理から定型化の調査。こうかな。したがって
目的
1 5 10 11 20
サービス課の業務量の 増加に対応するために
極力サービスデスクに 移管する
21 25 30 35
調査内容
1 5 10 11 20
サービス要求管理、イ ンシデント管理、問題
管理、変更管理から定 型化の調査(35文字)
21 25 30 35
というようなのが答えになります。調査の方はわからないですね。資格講座の大原さんの解答速報ではインシデント管理業務で定型化できるかものがあるか調査すると一つに絞られていました。なんで?わかんないっす。この問題は保留だな。
設問3
(1)
現状のサービス要求管理における課題の解消状況が分かるKPIを設定したその内容を10字以内で回答する問題です。KPIはKey Performance Indicatorの略で数値目標設定をする項目のことです。目標設定する項目は何が適切か探すと、一次解決率という項目くらいしか見当たりませんので、これが答えです。したがって
1 5 10
一次解決率(5文字)
が答えです。
(2)
この問題は表4だけから、来年度の工数計算して、何人日必要かを求める計算問題になっています。午前の問題みたいなノリですね。表のそれぞれ3つの項目の件数は2割増しの件数になる見込みで、集中度合いを見越して、最終的な工数にも2割増しするとの説明もあります。それを踏まえて計算を進めると以下のようになります。
項番1の件数 24件の2割増しで28.8件。1件あたり10分で合計288分。
項番2の件数 15件の2割増しで18件。1件あたり20分で合計360分。
項番3の件数 8件の2割増しで9.6件。1件あたり20分で合計192分。
全てを合計すると、840分。この2割増しだと1008分。1008分は16時間48分です。16.8時間です。
1日は8時間で、2.1人日です。小数点以降は繰り上げという問題なので、3人日です。したがって
3
が答えです。
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