アボガドロ定数
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概要
炭素という原子は記号 <ytmath>$ \rm{C} $</ytmath> であらわされ、原子番号は12。およそ12が物質量と定義されているので、その炭素12(物質量12の炭素を炭素12と呼びます。物質量が12ではない炭素もあります。)、を12gが構成する原子の個数を物質1molの量として <ytmath>$ 6.022 \times 10^{23} $</ytmath> [個/mol]としている。[個/mol]の個は日本語で表した便宜上のものなので、SI単位とよばれる国際標準単位系(Systeme International d'unites(フランス語))で表現すると <ytmath>$ mol^{-1} $</ytmath> molのマイナス1乗 となる。なので、
<ytmath>$ 6.022 \times 10^{23} [\rm{mol}^{-1}]$</ytmath>
になる。正確には最近定義された<ytmath>$ 6.02214076 \times 10^{23} $</ytmath>という数値。2019年5月20日発行予定。まだ未来の話!それくらい厳密なことは最近までフワフワしていたということです。
なんで、こんなややこしいものを定義しちゃったんだよ~。ってなりそうですが、ある程度の種類の物質を温度とか圧力とか状態を無視して体積の議論をせずとも、まとめて考えたいときに扱えて便利とかそんな感じです。だから?ってなりそうですけど…
これを、うまく利用するには、
- 原子番号表の原子量(原子量がのってない周期表はこういう計算をするときには使いにくい)
- 分子を扱う場合は、その分子の元素記号表記と分子を構成する原子の個数
が必要になります。
したがって、物質量自体もなかなかあやふやなんすけど、今の時点(現時点)でわかっている分子や原子の物質量こそが1molであり、1molに対しての原子あるいは分子の個数は およそ <ytmath>$ 6.022 \times 10^{23} $</ytmath> 個として話を進めようとするナカナカややこしいことなのです。
化学反応を利用する業界や料理で反応に必要な分量が分かるのが、アボガドロ数あたりの質量から導き出せるということです。必要最低限の材料を揃えて仕入れるという無駄のない化学のなせる技。
例えばの話をしよう!
水分子(<ytmath>$ \rm{H}_2\rm{O} $</ytmath>) 1molは 水素の原子量が1で酸素の原子量が16 だから <ytmath>$ 1 + 1 + 16 $</ytmath>(水素2個と酸素1個で構成されているからね!) でおよそ18g(グラム)あれば1molの水分子と言える。この18gには水分子が<ytmath>$ 6.022 \times 10^{23} $</ytmath> [個] あるということになる。
水素分子(<ytmath>$ \rm{H}_2 $</ytmath>) 1mol は2gで水素分子が<ytmath>$ 6.022 \times 10^{23} $</ytmath> [個] だ!
水素原子(<ytmath>$ \rm{H} $</ytmath>) 1mol は1gで水素原子が<ytmath>$ 6.022 \times 10^{23} $</ytmath> [個]
酸素原子(<ytmath>$ \rm{O} $</ytmath>) 1mol は 16g で…
こんな感じに考えていく。
1molあたりの重さg(グラム)はモル質量と呼ばれていて[g/mol]という単位を使って表すので、水のモル質量はおよそ18[g/mol(グラム パー モルあるいはグラム毎モル)]です。
ということは、ですよ。
180ccの水は1合で1ccが1gです。水の場合は1cc=1gで計算しやすい。ですから、1合の水をお米の計量カップに入れたとき、「あーこのなかにアボガドロ数<ytmath>$ 6.022 \times 10^{23} $</ytmath> [個]の10倍個の水分子があるんだなぁ」と瞬時に分子の個数がわかってしまうのです。
凄くない?
?そうでもないか
ひたすら、およそという表現がつくくらいなら、そんな計算やめてしまえ!と思うかもしれない。だが、そこはじっとこらえて、およその話をしたいんだ。そうなんだ。およそでもいいから、まとめてしまいたい…
切実やなぁ。アボガドロ定数。泣けてくる。
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