AP過去問令和6年度秋期午前問69

問69(問題文)

　コ・クリエーション戦略の特徴はどれか。

ア　企業の営業部門と製造部門が協働し、特定の商品・サービスに限定して、徹底的に自前主義にこだわることによって強みを発揮する。

イ　顧客が自らアイデアを商品の仕様に具体的に落とし込み、企業に製品を製造してもらう。

ウ　顧客や企業ネットワークの力を活用し、商品・サービスだけでなく、顧客の経験までを含めて差別化可能な価値を創造する。

エ　自社に不足する経営資源をM&Aによって強化し、従来にない価値をより素早く創造する。

コ・クリエーション(Co-Creation)戦略とは

　コ・クリエーション戦略は、企業が顧客やパートナー企業などの外部ステークホルダーと協力しながら、商品やサービス、さらには顧客体験までを含めた新しい価値を共に創造する手法です。

　特徴的なポイントは以下の通りです：

1.顧客参加型

顧客を単なる受け手ではなく、価値創造のプロセスに参加させます。

例：顧客が製品開発やサービス設計にアイデアを提供する。

2.体験の重視

単なる製品やサービスの提供ではなく、顧客の満足度やブランド体験を重視します。

3.ネットワーク活用

企業ネットワークやパートナー企業との連携を通じて、価値創造を拡大します。

　アは間違いです。企業内の部門間での協働を指しており、コ・クリエーション戦略ではなく、自前主義の一部門間協力に該当します。

　イは間違いです。顧客が自らアイデアを具体化し、企業に製造を依頼するのは、「マスカスタマイゼーション」や「プロシューマー(Producer + Consumer)」の概念に近いですが、コ・クリエーションとは異なります。

　ウは正しいです。

　エは間違いです。M&Aを活用して経営資源を補強する戦略を示していますが、これは「外部資源の獲得」による成長戦略であり、コ・クリエーションの本質ではありません。

　したがって

ウ

　が答えです。