AP過去問 令和6年度秋期 午前 問55
問55(問題文)
サービスマネジメントにおいて、中断したサービスを復旧させるときの目標を定めた指標に、RTO(目標復旧時間)、RPO(目標復旧時点)及びRLO(自動復旧レベル)がある。RTOとRLOを定めた例として、適切なものはどれか。
ア サービスが中断する3時間前の時点の状態にデータを復旧し、利用者の50%以上にサービスを提供できるようにする。
イ サービスが中断する直前の状態にデータを復旧し、当日のサービス終了時刻を、サービスが中断していた時間だけ延長する。
ウ サービスの中断から1時間以内に中断する1時間前の時点の状態にデータを復旧する。
エ サービスの中断から1日以内に、中断したサービスのうちの重要なサービスに限定してサービスを復旧する。
回答・解説
サービスマネジメントにおける指標 RTO(Recovery Time Objective)とRLO(Recovery Level Objective)の定義を考慮して、各選択肢を分析します。
定義
- RTO (目標復旧時間)
- サービス中断が発生してからサービスを復旧するまでの目標時間。どのくらいの速さでサービスを復旧する必要があるかを定める指標です。
- RLO (自動復旧レベル)
- サービス復旧時に、どの範囲のサービスや機能をどのレベルで提供するかを定めた指標です。
アは間違いです。「サービスが中断する3時間前の時点の状態にデータを復旧し、利用者の50%以上にサービスを提供できるようにする」→ これはRPO (Recovery Point Objective, 目標復旧時点) と部分的に関連する内容で、RTOやRLOの設定が含まれていません。
イは間違いです。「サービスが中断する直前の状態にデータを復旧し、当日のサービス終了時刻を、サービスが中断していた時間だけ延長する」→ サービス中断前の完全なデータ復旧を目指しており、復旧の時間目標 (RTO) や復旧範囲 (RLO) の具体的な内容が明確ではありません。
ウは間違いです。「サービスの中断から1時間以内に中断する1時間前の時点の状態にデータを復旧する」→ RTO は「中断から1時間以内」、RPO は「中断する1時間前の状態」と定義されていますが、RLO に関する情報は含まれていません。復旧範囲の情報がないだけなので、勘違いしやすいですが、違います。1時間前の状態に完全に復旧しちゃう勢いの表現になっています。
エは正しいです。「サービスの中断から1日以内に、中断したサービスのうちの重要なサービスに限定してサービスを復旧する」→ RTO は「1日以内」にサービスを復旧することを定めています。さらに、「重要なサービスに限定」という部分が RLO に該当します。このため、RTO と RLO の両方を定めた例として適切です。
したがって
エ
が答えです。