PIAGGIO VESPA50S Vintage
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概要
MODS(モッズ)というイギリス文化を取り込んだようなファッションをする人のなかでもイタリアのスクーターは流行っていて、MODSといえばPIAGGIOのVESPAという感じはありました。あるいはレイランド・イノチェンティランブレッタというスクーターも流行の一つで2大ブランドとして君臨していた印象です。
管理人はMODSの影響は受けていないですが、VESPA Vintage50S Vintageの黒に乗っていました。MODSという文化をよく知らない自分は個人としてカッコいいと感じて、これに乗りたいと思って買ったものです。松田優作?オードリーヘプバーン?いやあんまり気になりません。乗ってたらしいという後押しはありました。THE COLLECTORSでMODSを知りました。MODSもいいよね。
ちなみに普通のカブとか日本製スクーターに乗ったことなかったので、不便極まりない性能であることに気づくまでに、乗り始めてから1年くらいかかっています。
不便なところ
- 燃料を給油するたびにエンジンオイルを混ぜなくてはだめなところ。混合オイル方式です。
- 2サイクル(ストローク)エンジンという種類のエンジンであるのが原因です。2ストって呼びます。現代の主流は4サイクルなので混ぜなくても大丈夫なのです。ラジコンのエンジンも2ストでしたので、スクーターを乗る前からラジコンをやっていた管理人は2ストに疑問を持ちませんでしたが、なんで、Vespaの自分だけが燃料を入れるたびにエンジンオイルを混ぜなきゃいけないのかはわかっていませんでした。なんとなく、国産車とかはエンジンが強いのかなとか思っていました。インターネットが発達した今だからわかるんですけど、2ストのエンジンって、Vespa以外にも割かし存在していて、耕運機とか一部のバイクなんかでは2ストになっていて、専用の燃料を使ったり、自分で混ぜて使ったり、エンジンクランク用オイルが消費されるタイプとかがあります。
- エンジンのピストンの下側にはクランクとよばれる構造の上下運動を回転運動に変換する機構がエンジン内部に備わっています。2ストの場合はこの部分にも燃料が回り込む構造になっています。ピストンの下に燃料が充填されます。この時、上側にも燃料が圧縮されつつある状態になっていて、次にピストンが1番上に行って爆発します。その勢いで、ピストンは下にさがります。排気口から燃えカスが出ます。割かし燃焼しないままの燃料が不燃のまま出ていきます。さらにピストンが下がると、クランクに補充された燃料が掃気口という通路を使ってピストンの上側に移動します。これが2ストなので、燃料にエンジンオイルが混合されていないと、潤滑せずにピストンによる熱でアツクなります。焼き付きでシリンダとピストンが溶融したり変形によってかみ合わせの強烈な引っ掛かりができたりして、エンジンがお亡くなりになる仕組みです。
- 燃料みたいにエンジンオイルを補充しておいて、少しづつシリンダ内にエンジンオイルを混ぜてくれるエンジオイル消費型の構造のものもあるそうです。Vespaの場合は別途エンジンギア用のオイルもいるので、車と同じように定期的にエンジンギアオイルを交換しないと駄目です。Vespaのギアオイルは下から抜いて、上から補充する仕組みになっています。作業台替わりにスーパーで売られている肉の正方形の平皿のようなものと1Lの牛乳パック2個と紙と高さ10cm程度の容器2個にサランラップでもかぶせて使うのが良いでしょう。1.2~1.4Lくらいのオイルが入っています。24mmに対応しているモンキーレンチがあれば、オイルの抜き取り作業ができます。ナットねじを緩めるとオイルが出てくるので、工具が汚れる覚悟は必要です。洗浄する場合は何回か回転させるためのオイルも余分にあった方がよいでしょう。捨てるのは大変なのであまりたくさんの在庫を抱えないように気を付けてほしいです。側面のナットねじを外して横から注入する形なので、チューブとロートを密着させたような器具があると流し入れやすいと思います。今はどうなのか知りませんが、オイル缶に廃オイルを入れてガソリンスタンドなんかに持っていくと廃棄してもらえます。有料の場合もあるので、いくらかお金は持って行った方がよいでしょう。燃料を入れに行くついでに廃棄すると、お客さんにもなれるので気負いが少なく済むでしょう。空缶はAmazonで800円くらいで売っています。たくさんの紙に吸わせて捨てる方法もありますが、地域の廃棄物処理規則に従う必要があります。オイル缶で持って行って捨てるのが良さそうです。缶自体も捨てたい場合は、購入するときに切断開口分解して、こびりついたオイルをふき取る必要がありますので、気を付けましょう。1回こっきりの作業ですべて購入して捨てる場合は自分でやる方が高くつく場合もあるかもしれません。プロにまかせると道具を用意しなくてもよいので楽です。汚れるのがあまり好きでない人や楽しめない人や場所やお金に余裕がない人はお願いした方がいいんじゃないかな。購入から収納。作業内容。廃棄処理。洗浄処理。すべての工程を見通してから行動を起こさないと痛い目に逢います。失敗して敷地や床が汚れたりしたらまぁまぁ大変なことになります。無理にバイクを持ち上げて倒したりしたら悲惨ですよ。
- バッテリー非搭載
- エンジンを止めたら何も明かりをつけることができません。真っ暗です。
- エンジン始動はキックスターターのみ。あるいは押しがけ
- キックスタータが基本です。キックする部分はいつでも使えるようになっているので、そこは安心。あるいは1速にギアを入れて、押すというテクニックがあります。エンジンがかかって追いつけなくなる前にクラッチを握る感性と間違えてもアクセルを回さないやり方と飛び乗る技術をバランスよく持ち合わせていないといけません。それが押しがけ。エンジンってのは勢いがつけば勝手に回り始めるもなのさ。圧縮して点火の軌道にのりさえすれば安泰。ラジコンも同じです。チョークってのあるのでそれをひいてあったまるまでは燃料を多めにして爆発させるという方式なので座席のしたにあるつまみを引っ張ってチョークを引くのを忘れるというミスもよくあります。
- Vespa対応の専門店にいかないと手に入らない道具多し
- まぁ部品はかなりの部分が専用になっているので、簡単には手に入らないです。ウィンカーのランプはよく切れる方です。パンクしたときとかの修理は合致するタイヤがなくて、純正を手配しなきゃなって気になります。適当なタイヤを付けた瞬間から魂を売ったような気持ちになります。なんのためにVespaを買ったのかという初心を忘れてはいけない。うっかりミスからの掛け間違いが始まります。ちゃんとしよう。成川商会もやめちゃったし、ピアジオジャパンは力入れてないし、今はもう手に入らないものだらけになってしまった。クラッチ変更とか、ボアアップキットとか手に入らない。つまんんない。自分で工場作って、イチからベスパもどきを作った方が楽しそうだ。中古で30万円もするんすね。高っ。30万円で10年くらい新車から乗れたという思い出が幸せってことにしておこう。
- 燃料がどこまで残ってるよくかわからない。
- リザーブシステムってのがありまして、まずはリザーブに設定して走る。燃料なくなってとまる。使い切るモードでガソリンスタンドへ行く。そんな感じです。
- 手が痛い
- 新車は特になんだけど、ギアが固い!ギアの変更には左手のクラッチを握って、左手をスロットル回転させる向きで位置を変更してギアを選択します。
- 1速は握って上に一つ動かす。痛い!
- そしたら2速にするので、握って下に動かす。間にニュートラルあるんで、次に引っ掛かるとこまで回すイメージ。痛い!
- 3速も握って下へ動かす。痛い!
- 4速も下へ握って動かす。痛い!
- アクセル操作はうぃーん(小<大)、ガチャって感じのタイミング。ガチャっとする寸前でアクセル緩めるお忘れなく。もちろん止まるときも痛い。速度を落としつつ。3へ2へと握って上に動かす。痛い。
- 2からはクラッチを握らずにクィッと上に回せば1へはいかずにカコンとニュートラルになるので、足ブレーキをギュッと踏み込んで止まる。左足は地面へ着地。1が上にある意味を痛感する。なるほど止まるときに1いらねぇ。さすがPIAGGIO。やるな。と思った。
- とにかく、ギターの初心者の指が痛いより痛い。とイメージしてもらえればと思う。納車の日に家に帰った時は痛すぎて、手が使い物にならなかった。大げさ。でも、それくらい痛い。
- ミラーが片方しかない。確か右だったような。
- 左は気配と目視で確認。気配大事。
- ウィンカーランプが暗い。気づいてもらえていないかもしれない。
- いつでも死は隣り合わせ。10年程、無事故で生き抜いた自分って偉い。あ、一回手放し運転で転んで左手を骨折してるな。軽度の骨折の痛さを理解できたのは経験としてよかったかもしれない。どんだけポジティブなんだよコイツ!
- 重たい
- 鉄の塊。半端ねぇ重たさ。え、友人の国産スクーターを支えたとき、こんな軽いの?って思った。進化って大事だと思う。押して歩道を歩きたくないので、割かし違反しやすい。現に人生で唯一の違反をしている。捕まった。通行区分違反の短い(10m以内)を記録している。デメリットが本格的に形になった部分のはず。
- ヘルメットが椅子の下に入るという粋な装備はない。
- フックにかけておいておくことしかできない。ヘルメット持ち歩くのがベストなんだけど、無理。
- よく悪戯されている。
- 嫌がらせをよく受ける。特に金持ちってわけでもないのに買ったから悪戯される耽美に心が折れる。世の中をもっとよくしてやるっ!って思える。ポジティブ過ぎ!ヘルメットを灰皿代わりにされるいたずれには心折れた。
良きところ
- 貧乏でとりえもない自分でも何か大きくなれた気がする。
- カタチで中身がなければ何も変わらないものだけど、何もない自分でも、勘違いして大きくなれた気がしていた。なんも変わってないのに10年程もそういう気持ちにさせてくれたVespa偉大過ぎる。希少価値ってスゴイ。勝手に勘違いして、勝手に幸せな気持ちになるのは害ではないと思う。感じ方はひとそれぞれなので、この商品で同じ気持ちになれるかどうかはわからない。けど、みんなにも同じような効果を生んでくれるモノってなにかあると思います。見つけてほしいな。
- 足ブレーキ
- 足でブレーキは楽。楽しい。バランス感覚は大事。
- スロットル固定
- 右ハンドルのスロットルは固めで、自動でもとに戻らない仕組みです。スロットルの微妙な操作が必要なく、開けっ放しにできます。平地走行では、手を添えるだけいいので、楽です。管理人のように手放しをすると、転倒します。とっさに右手で左のハンドルを触るとよく転べます。転ばない人はすごいです。自転車で練習してからやってみてください。やらなくていいことでした。
総評
今はもう手に入りにくくなっています。美しいからこそ、気持ちが上がる。ダメな製品を無理に手に入れるようなものでもありません。切り替えが大事です。Vespa Vintage 50S にこだわることはないでしょう。今ならコレクトしておく意味はあるかもしれません。もっと希少価値が高くなっていく乗り物だと思います。状態のいいものを大事にとっておくのはいいかもしれませんね。あるいは完全なるレストア能力があるとか、金属加工、皮加工、プラ加工、ゴム加工、塗装技術、機材の充実、そういった環境を築けるひとなら楽しいかもしれません。中古からでも型はつくれますからね。
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