音楽理論 和音の種類

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概要

 和音の種類についてまとめます。

 

3和音メジャー □, □maj

まず最初に、3和音のメジャーコードから構成を紹介しますが、今後C(ド)をルートにした和音しか紹介しません。何故ならば綺麗に半音づつずらせば12種類の同じコードになるからです。ずらすというのがどういう意味かをしるすため、最初のメジャーコードだけ示します。ドミソがメジャーコードです。単純にCとしたり、明確にするためにCmajとしてみたり、CMと表記したりします。メジャーもマイナーも頭文字はM, mなのでね。大文字をメジャー、小文字をマイナーに割り当てたり、majと表記したり忙しいものです。


C-B Major.png


12音は

ド、(ド#orレ♭)、レ、(レ#orミ♭)、ミ、ファ、(ファ#orソ♭)、ソ、(ソ#orラ♭)、ラ、(ラ#orシ♭)、シ

のように半音ごとに並んでいます。音階をABC表記すると

C, (C#orDb), D, (D#orEb), E, F, (F#orGb), G, (G#orAb), A, (A#orBb), B

です。


 一番下にある音をルートといって、一番したがCならCのコードあるいはCmajと表記するものです。C, E, Gつまりドミソの間隔を保ったまま全部を半音づつあげていったものが、全12音階のMajorコードです。


 図には左から順にCmaj, (C#maj or Dbmaj), Dmaj, (D#maj or Ebmaj), Emaj, Fmaj, (F#maj or Gbmaj), Gmaj, (G#maj or Abmaj), Amaj, (A#maj or Bbmaj), Bmajのメジャーコードが並んでいるのを示めしています。


3和音マイナー □m

 ラドミ(A, C, E)の間隔がマイナーです。Amと表記します。


A CMinor vs CMajor.png


 ラドミ(A, C, E)の間隔のまま(平行移動ですね)ド(C)をルートにしたマイナーを作ろうとすると、図のようにC, D#orEb, Gとなります。メジャーコードのCをそのとなりに記しました。真ん中の一音の位置が半音異なることに気づきますね。これがメジャーとマイナーの違いです。

 

コードの転回

 コードの構成音に変更がない限り、構成音の一部についてオクターブを移動しても響きは変わりませんし、コードの名前も変わりません。ギターなんかは弦同士の関係がドソのように5度(音の間隔を表す呼び方です。)の関係にあるため、同じフレットに着目すると太い弦からソドのような関係になっている箇所が無数にあるため、ドミソというよりはソドミのような関係で押さえることが多いです。


 一番細い弦が1弦で太い弦が6弦です。2弦と3弦だけが4度という関係になっています。だから2種類の組み合わせを覚えれば、上下での音の関係は覚えれます。ま、その2種類を覚えるだけでも大変なんですけども…。


 

音の間隔の呼び方

 音同士の間隔を表現するのに度という単位があります。ドとソは5度です。ドとドが同じ音で1度です。ドとレが2度です。ドとミが3度、ドとファが4度、ドとソが5度、ドとラが6度、ドとシが7度です。オクターブが異なるドとドは8度ですね。この間隔を今、簡単に示しましたが、厳密にはこの呼び方ではまずくなってきます。途中に半音を挟む、挟まないとかを考慮していないからです。じゃあオクターブを半音づつの12度になるように管理すればよかったじゃん!って思うかもしれませんが、結局聞き心地がいいのは、ドレミフォソラシの7つだし、聞き心地がいいところに絞って表現したい、オクターブは8度で設定したいなぁって思ったんでしょうね。そうじゃないと意味のない、ただ気持ち悪い距離を測り続けるだけの無能なことになってしまいます。


 例えば、隣り合うドとレは2度っていうけど、同じように隣り合うミとファは半音しか違わないのに同じように2度っていうのはおかしい。じゃあじっくり音の間隔についてもう一度考えてみよう。


 ドを基準に数えるとドとレは半音2つ(全音1つ)の2度。ドとミは半音4つ(全音2つ)の3度。ドとファは、半音5つ(全音2と半音1つ)の4度。ドとソは半音7つ(全音3つと半音1つ)。ドとラは半音9つ(全音4つと半音1つ)。ドとシは半音11つ(全音5つと半音1つ)。こういうことがわかる。このようにいろいろな音を基準に数えていくと音の離れている距離の種類は以下の種類があることがわかってくる。


  • 半音1つ 短2度
  • 全音1つ 長2度
  • 半音1つ全音1つ 短3度
  • 全音2つ 長3度
  • 全音2つ半音1つ 完全4度
  • 全音3つ 増4度 ※ファとシの関係
  • 全音3つ 減5度 ※シとファの関係
  • 全音3つ半音1つ 完全5度
  • 全音4つ 短6度
  • 全音4つ半音1つ 長6度
  • 全音5つ 短7度
  • 全音5つ半音1つ 長7度
  • 全音6つ 完全8度


 ミを基準に数えるとミとファは半音1つの短2度。ミとソは半音3つ(全音1つと半音1つ)の短3度。ミとラは、半音5つ(全音2と半音1つ)の完全4度。ミとシは半音7つ(全音3つと半音1つ)の完全5度。ミとドは半音8つ(全音4つ)の短6度。ミとレは半音10つ(全音5つ)の短7度。


 4度と5度と8度だけは長短がいらない関係が続きそうだね。


 まだまたやってみる。


 レを基準に数えるとレとミは全音1つの長2度。レとファは半音3つ(全音1つと半音1つ)の短3度。レとソは、半音5つ(全音2と半音1つ)の完全4度。レとラは半音7つ(全音3つと半音1つ)の完全5度。レとシは半音9つ(全音4つ半音1つ)の長6度。レとドは半音10つ(全音5つ)の短7度。


 もうちょいやってみる


 ファを基準に数えるとファとソは全音1つの長2度。ファとラは半音4つ(全音2つ)の長3度。ファとシは半音6つ(全音3)の増4度。ファとドは半音7つ(全音3つと半音1つ)の完全5度。ファとレは半音9つ(全音4つと半音1つ)の長6度。ファとミは半音10つ(全音5つ)の長7度。


 ソを基準に数えるとソとラは全音1つの長2度。ソとシは半音4つ(全音2つ)の長3度。ソとドは、半音5つ(全音2と半音1つ)の完全4度。ソとレは半音7つ(全音3つと半音1つ)の完全5度。ソとミは半音9つ(全音4つと半音1つ)の長6度。ソとファは半音10つ(全音5つ)の短7度。


 ラを基準に数えるとラとシは全音1つの長2度。ラとドは半音3つ(全音1つと半音1つ)の短3度。ラとレは、半音5つ(全音2と半音1つ)の完全4度。ラとミは半音7つ(全音3つと半音1つ)の完全5度。ラとファは半音8つ(全音4つ)の短6度。ラとソは半音10つ(全音5つ)の短7度。


 シを基準に数えるとシとドは半音1つの短2度。シとレは半音3つ(全音1つと半音1つ)の短3度。シとミは、半音5つ(全音2と半音1つ)の完全4度。シとファは半音6つ(全音3つ)の減5度。シとソは半音8つ(全音4つ)の短6度。シとラは半音10つ(全音5つ)の短7度。


 こんな感じで、数えます。


 このような関係のなかでさらに#やbがついた音符と音程の距離をみるときは基準側に#b、比較対象側に#bがついて半音広がれば増2or3or6or7度なるし、基準側に#bかつ比較対象側に#bがついて全音分広がれば重増2or3or6or7度になる。基準側に#b、比較対象側に#bがついて半音縮まれば減2or3or6or7度なるし、基準側に#bかつ比較対象側に#bがついて全音縮まれば重減2or3or6or7度になる。

 

4和音メジャーセブンス □M7, □maj7

 ドミソシがメジャー4和音です。メジャーセブンスと言います。4つ目の音が長7度の関係にあるので、そう呼ばれます。この時のM7やmaj7と書くMやmajは省略できません。単に7と書いてしまうと違うコードになり、Cメジャーの3和音に短7度がのったものを表してしまいます。つまりドミソシ♭の構成をさしてしまいます。


CM7 CM C7.png

 

4和音マイナーセブンス □m7, □m7

 ラドミソがマイナー4和音です。マイナーセブンスと言います。4つ目の音も短7度の関係にあります。


Cm7 Am7 CM7 C7.png

 

4和音の短長3度 完全5度 短長7度を基本としたものがしっくりくる

 作曲においては、Cキー(ドレミファソラシの音階をもつキー)でドミソシ、レファラド、ミソシレ、ファラドミ、ソシレファ、ラドミソ、(シレファラだけは例外、どのキーでもです)のように半音記号を使わないで表すコードが一番しっくりくるようにできています。世の中に出回っている曲のほとんどは、実はこの組み合わせを守っています。このコードを解き明かすと、以下の図のようになっていることがわかります。


DegreeCode.png


 と上記のようなコードになります。Cの場合はC, D, E, F, G, A, Bですが、他のキーでもつかえるようにI, II, III, IV, V, VI, VIIを当てはめてディグリーコードと呼びます。IM7, IIm7, IIIm7, IVM7, V7, VIm7, VIIm7b5(まだ記事では登場してませんが、マイナーセブンスフラットファイブという名前) となります。I, IV, VはメジャーコードでII, III, VI, VIIはマイナーコードになります。VIIは響きが複雑なので、あまり登場しないのが普通です。なんなら無視してもいいくらいです。VIIはアクセントに使ってみる実験的な曲と言えるでしょう。


 既存の曲のバンドスコアなどをお持ちなら確かめてみると良いでしょう。キーが何かを調べて、そのキーに対する度数毎の音階を定め、その度数がII、III、VIにあたる部分がマイナーコードにI、IV、Vがメジャーコードになっている部分が沢山みつかるはずです。


キーは

  • C Major:C, D, E, F, G, A, B
  • A Minor:A, B, C, D, E, F, G

を基準にキーを5度づつあげ下げすると音階に#上げると増えるやbが増えます。やってみましょう。まずは5度づつ上げていきます。5番目の音から始まるように変えていくだけです。末尾の音に#が増えます。

  • G Major:G, A, B, C, D, E, F#
  • E Minor:E, F#,G, A, B, C, D


  • D Major:D, E, F#, G, A, B, C#
  • B Minor:B, C#, D, E, F#, G, A


ようするに2度あげると、#が2つ増えるともいえます。


  • A Major:A, B, C#, D, E, F#, G#
  • F# Minor:F#, G#, A, B, C#, D, E


  • E Major:E, F#, G#, A, B, C#, D#
  • C# Minor:C#, D#, E, F#, G#, A, B


  • B Major:B, C#, D#, E, F#, G#, A#
  • G# Minor:G#, A#, B, C#, D#, E, F#


  • B Major:F#, G#, A#, B, C#, D#, E#
  • D# Minor:D#, E#, F#, G#, A#, B, C#


では、ここからはCのキーから5度づつ下げていきましょう。後ろから4番目が5度にあたりますから、それを先頭にして、ミとファの間にあたる部分で半音だけあがるようにしたいので、前から4つめにbをつけていきます。


  • F Major:F, G, A, Bb, C, D, E
  • D Minor:D, E, F, G, A, Bb, C


  • Bb Major:Bb, C, D, Eb, F, G, A
  • G Minor:G, A, Bb, C, D, Eb, F


  • Eb Major:Eb, F, G, Ab, Bb, C, D
  • C Minor:C, D, Eb, F, G, Ab, Bb


  • Ab Major:Ab, Bb, C, Db, Eb, F, G
  • C Minor:F, G, Ab, Bb, C, Db, Eb


  • Db Major:Db, Eb, F, Gb, Ab, Bb, C
  • Bb Minor:Bb, C, Db, Eb, F, Gb, Ab


 しっくりくるだけなので、別に無視してもいいですけど、しっくりきちゃいますから、無視して作ってても、いいなと当てはめてみたら結局この理論どおりに伴奏をつけっちゃってたりします。キーの音階には無い半音をメロディーで使った場合なんかには、メジャーとマイナーの法則をテレコにした伴奏がしっくりきっちゃったりします。もちろんルート音がキーの音階にない半音をいれたコードもしっくりくる音としてありえます。


 この法則からはなかなか逃れられない。メロディーのはじめの音やよく使われている音が伴奏のルート音とで一致したコードとはしっくりきます。伴奏を作ってからメロディーを考えると伴奏のルート音をよく使うメロディーに寄って行きます。メジャーとマイナーだけは守って、セブンスコードにするなどコードに厚みを持たせたりする工夫をいれていくとこれまたしっくり来たりします。


 またキーの音から始まるメロディーがキーの音で終わるメロディーなどはさらにしっくりきますし、その途中に完全五度を通過したりするのもよく使われます。暗い方がマイナーキーになりますので、どこの音を起点に始まるかだけで、メジャーキーっぽくてもVIの音から始まって終わるような部分が随所にみられると、マイナーキーよりにもなったりしますし、その逆にもなりえます。メロディーがキーからみて、4度や7度にあたる音をぬいて作ると形になりやすく、ときどき4と7のチカラを借りたりする考え方とかがちょうどよかったりします。音にはしっくりきやすい奴らが法則通り待ち構えています。


 ドレミファソラシのメジャーに対して、ラシドレミファソのマイナーで構成音は共通です。どこからはじまってどこで終わるかが明るい暗いの印象を変えます。フレーズごとにいったり来たりすることもあっていいと思います。あまりごちゃごちゃしすぎると、何が言いたいのかわからなくなるところは、このwikiの記事のようになりがちです。


 しっくりくる法則(いわゆる音楽理論)にとらわれずにカタを破って、いかに新しいしっくりを見つけるかという部分も醍醐味であったりはします。ベース音は伴奏のルート音を基本に、そのまわりで、装飾していくのが良い感じになりやすいです。ベース音がルート音と違うものしか押さえない場合は分数コードの状態になりますのでコード名+ベース音やコード名/ベース音のようにコード表記をすることがあります。伴奏に低い音が演奏の中に入り込むときは、ルート音との関係性にかなり影響を与えます。


 最後に、しっくりくる音がわかったところで作曲のポイントを書いておきます。曲は繰り返しがあったほうが記憶に残りやすく、曲自体の良さが伝わりやすいです。まったく同じ繰り返しでなくても似ている旋律が繰り返されたりするのも良いです。だらだらと新しいメロディーを次々と提示されていも、曲の良さというものはなかなか感じられません。繰り返される旋律のないヒット曲はないと言っても過言ではないでしょう。クラシックも同じ旋律をなんども繰り返される曲ばかりです。いちどしか使われない旋律でよい調べはここぞというところで提示します。サビは音程全体が高くなるのが通常です。もりあがりとはそういうものです。いままでのヒット曲が示した良い曲の構造というものは、しっかりと学ぶ姿勢があってもよいと思います。そのうえで新しい世界を切り開いていくと良いと思います。


 だいぶしっくりくるコードについて、記事を書いてしまいましたが、この記事は、曲作りに使うコードの厚みの部分を知るためにありますので、更にコードを紹介していきます。

 

4和音セブンス □7

 メジャーセブンスの4つ目の音が短7度になっている関係です。メジャーセブンスより記法はスッキリとした表現ですが、より複雑な響きのコードです。


C7.png

 

2和音フィフス □5th(ギター演奏用語ではパワーコード)

 フィフスはメジャーでもマイナーでもない完全5度をもつコードです。ギターでは歪みによって得られる力強いサウンドでパワーコードと呼ばれます。ほかの楽器でも同じ狙いであれば、パワーコードと呼ばれることはあるそうです。専門用語にも近いものですが、明確には言い切れません。

 

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