みんなのいえ
概要
家を買うのは人生の一大事。なのにあの人もこの人も、どんどん自分の思いを入れ込もうとしてくる押しつけがましい事が山のように押し寄せてくる作品です。大きなお世話は愛されている証拠でもありますが、さすがに家となると、一生よりそっていく大事な道具です。それをあまり自分のことを知らない人があれだこれだと押し付けてくるのは迷惑です。でも、それを受け入れる度量があれば、愛され続けることも出来るし、結局うまく人生が回ることもあり、新しい気付きもある場合がある。
バランスが大事ですね。人の思いを受け取るということのむずかしさ。それがゆくゆくの人生をきめるのだということをこの作品は語っているのだと思います。
そんなふうに自分は面白いと思った作品に、どんどん付け足しで自分の思想を膨らませることがありますが、そういう風に考える人もいれば、単純に大きなお世話の面白い話になる可能性もありますし、ああいうふうなことはしてはいけないなと戒める人もいれば、こんなことがあっていいのはドラマの世界だけだと割り切る考え方もあるわけで、作品の捉え方も人それぞれなわけです。作者の思いはどのあたりにあるのかわかりませんが、こういった余白をうまく描けるからこそ、名作だと思えてくるのかもしれません。多種多様な人々の多種多様な思いを奮い立たせる余白が面白い作品には残されていて、それでいて面白くて、深い。