エレキギター 雑音
概要
エレキギターは生音を聴かせることことのないものです。基本的にはピックアップで音を拾って電気信号をアンプなどの入力装置にわたして、結果的になにかしらのスピーカーで鳴らすものです。練習する場合はヘッドフォンがスピーカーになる人も多いでしょう。広い部屋でまわりに迷惑をかけない環境を持っている方は部屋のアンプやスピーカーキャビネットで鳴らすこともあるでしょうか。ステージならもっと出力の大きいスピーカーで鳴らすでしょう。
目には見えませんがピックアップはフレミングの法則の逆の起電力によって電気信号を生成しています。電気回路の線に磁力が働いている部分では、力が加わると電気が流れます。行ったり来たりする弦の振動から得られる電気の場合は交流の回路になり、整流素子が無い限りは直流にはなりません。ギター回路の場合は音と同じく波による電気回路である交流の回路である方が都合がいいです。この交流の回路の波形をスピーカーでそのまま振動量として音に変換できるからです。つまり、耳で聞いてる音とは関係なく回路によって音がうまれています。音として聞いているものとは関係ないですが、電気信号は音の波を正確にコピーしているといって遜色ないです。回路にピックアップのように波を扱う回路全般では自然界に存在する電磁波や人工的に作られた電波の影響をうけて雑音を発生させてしまいます。ある程度小さい信号で行ったり来たりしてるだけの波は無視できるように回路は作られていますが、一部は、そいういった仕組みをすり抜けてきます。ここでは電気的なモノから、演奏上なってほしくないものまでを考えてみたいと思います。
雑音の種類
- 電気的ノイズ
- 演奏技術にかかわる雑音
- フィンガーノイズ(弦の上をスライドしたときに鳴る音「キュッ」みたいな)
- 指を離した時にでる音(開放弦がなってしまう)
- 運指によってだけでは防ぎきれないノイズ。
- エフェクトによるノイズの顕在化(もともと小さかったノイズを大きくしてしまう)
対策
対策は塵も積もれば山となる的にいくつも必要なものです。音を大きくして練習しないと演奏自体は上手くなっていない可能性もあります。面倒な作業が多くなりますが、アンプ・キャブネットやアンプシミュレータ、ヘッドフォンで音を鳴らして、面倒な演奏を身に着ける必要があります。
- 電気的ノイズ
ギターと音声処理装置までの接続方法によるもの。シールドの質やフォンプラグコネクタの質でもかわります。ギター本体の仕組みやピックアップの質。
- ピックアップ
- パッシブ型とアクティブ型のピックアップではかなりノイズが変わります。アクティブ型がオススメ。ピックアップそのものにアンプのような信号増幅機構が組み込まれている方がいい。ノイズを切り捨てて、ギターの振動だけを拾うことが得意となる。アクティブ型は電池がいります。9Vの電池を繋ぐの仕組みのが多いです。
- フォンプラグ
- フォンプラグはときどき磨いてあげた方がいい。錆・ゴミ・油膜ができてないかとかのチェックになるし。くるくる回したりちょっとさわったくらいでは、バシッバシッみたいな非接触状態にならない感じのほうがいい。
- シールド(接続線)
- ギターの接続に使う線はシールドと呼んでいます。ただのケーブルってのは少ない。ノイズから守る仕組みになっているものが多いです。ちょっと太め。少しくらいはいいケーブルを使おう。だいたい2mで2000円くらいはする。まじめにケーブルと向き合ってるブランドがオススメ。
- ギター本体の構造
- 弦アース
- 弦アースは弦の根元のストラト・レスポール型はトレモロユニットの弦を張るための機構の金属部分を回路の0[V]部分に接続します。テレキャスでももちろん弦を張るユニットから0[V]の部分に接続する仕組みがあります。弦に触れるプレイヤーの身体にたまった電気もすべて地球にかえっていくパターンもあります。マイナス側に直接プラスの電気が伝わるような漏電をしているとプレイヤーが感電します。昔のアンプではそういう事故はありました。近年の電気製品の安全性は高まっているので、確率は低くなってきています。弦アースにより命を脅かすこともあるにはあります。ならしてもないのに手がピリッとしたりしたらすぐに演奏をやめてすべての電源をきりましょう。とはいうものの弦アースをしておいたほうが、ノイズはぐっと減ります。弦アースはエレキギターの源流付近のノイズですね。ちょっとした信号を増幅しているエレキギターとしてはここにノイズがあると、かなり目立つノイズがアンプ、キャビネットから発生することになります。生演奏を基本とした考え方くらいでしか受け入れられないセッティングです。このノイズが顕在化するような環境では、演奏者は機材の扱い方、設定、奏法でかなり工夫を強いられます。弦アースが効いているかは、ギターの弦を触っているときと触っていないときでノイズが「触っていない>触っている」という仕組みになっているかで確認できます。セッティング次第ではどちらもほぼ無音もありえます。弦を触った状態を維持したい場合はトレモロユニットの一部の塗装をはがして、はんだ付け導線+チェーンみたいなものを取り付けて手首に巻き付けたりするといいのかもしれない。でも違うノイズもあるから、これで全てOKというわけではない。
- キャビティのシールディング
- 電気回路を格納する部分のキャビティをアルミホイルなどの導体で囲うという処理です。外界の電磁波を遮断する役割があります。対して効果がない場合もあります。場合によってはギターの音も変わりますので、好みが分かれるところです。さらに内側にショート防止用の何かの工夫はあった方がいいかもしれません。派手に動き回って、何かあったときに線がキャビティ内で接触して、演奏に支障をきたすトラブルに見舞われることもあります。
無理に雑音を取ろうとするとギターそのものの音もわるくなることもありますので、トレードオフされているものがないか確認しながらの調整が必要です。プロミュージシャンでなければ多少、ノイズがある環境で練習してもいいと思います。音をアップロードするとかなるとこだわりたいですね。程度が大事だと思います。シールドそのものにノイズ低減効果があるというシールドも存在します。お高いです。なんしか、演奏する技術の方がやること多いんで、素人のうちはそっちを頑張った方がいいと思います。練習と自分なりのコツをつかむ。大事だと思います。プロ級の人ののセッティングに自分のギターを繋ぐ機会があるといいですね。自分の立ち位置がわかると思います。
- 演奏技術にかかわるもの
- フィンガーノイズ
- 上に浮かせる暇もなく素早く移動したときとかになるものです。5弦6弦での速い移動はかなり目立ちます。浮かせる余裕を持たせると音と音の間が多くなりやすいので、いかに微妙に浮かせて俊敏に移動するかを養う必要があります。フィンガーノイズを低減するにはEQ(イコライザ)で高音部を削るという方法もありますが、音がこもったようになってしまいます。立ち上がりの悪い音になってしまいます。やはり技術でカバーしたいものです。
- 弦から指を離したときに開放弦が鳴る
- 指を離すだけで音はなります。ゆっくり離せば音はなりませんが素早い移動の時はどうしようもありません。その場合は余ってる指で弦にかるくふれてミュートしておくとか、弦を弾くほうの手のひらでミュートをするとか、深く押さえるとかして調整しながらミュートする弦の幅を調整します。なりすぎるエフェクト設定になっている場合もあります。エフェクト設定の何がダメなのかは難しい問題だと思います。
- 開放弦がなりっぱなし
- 開放弦が鳴りっぱなしになるのもノイズの一種です。少し触れて止めないと駄目です。そんなことプロはやってるの?やってます。ただ効率よくはやってはいます。すこしふれるための一手をものすごく巧みにやっているからプロなのです。プロ級なのです。ノイズが鳴りっぱなしで放置が一番よくないらしい。何らかの対策を打つ。これが大事な心掛けです。でも出来ないものは出来ないという場合はしばらく放置でもしかたないです。弾けないよりは次にいった方がいい。はやいうちに止める工夫くらいはしたいものです。余力ができたところで止めてもいいわけですから。止める必要がある場合は開放弦を使わない弾き方がないかも確かめた方がよいでしょう。同じ音はネック側に5フレットくらい移動したところの一つ上のポジションの弦でやれます。これはフィンガーノイズがのるときも同じです。太い弦は使わないで、細い弦を使った方が良い場合があります。ただし音の太さが変わるので、音色が変わりすぎてしまう場合は、元の位置で頑張る方法を探さないと駄目です。
基本、演奏するときに頑張るしかないのか。辛い。わかる。辛いこともある。けど楽しくなくっちゃ音楽じゃない。ほどほどに追い込みましょう。われわれ素人が辛いと思うことをプロ級の人はやれてる。エレキギターの奥深さをまたかみしめる。それでいいじゃない。めちゃめちゃでもいいじゃないそれっぽくやってもいいし、弾けない部分をそれっぽく変えてしまってもいい。楽しく練習しましょう。そして、自分にやれる弾き方はないか探る。見つける。楽しい。この循環を作ろう。
ちなみに管理人は向上心が薄いので、弾けないときは弾けてると思い込んで楽しむ。現実を直視しない。この方法で楽しんでいます。