Cpp クラス 仮想基本クラス

C++に戻る

※このページではC++にのみ存在する機能として、記事タイトルがC++ クラス 仮想基本クラスになっています。

クラス 仮想基本クラス

　仮想基本クラスが2重に継承される場合、ダイヤモンド継承（Diamond Inheritance）と呼ばれる問題が発生する可能性があります。この問題は、複数のクラスが同じ基本クラスを継承し、それが共通の派生クラスで再度継承されることにより、同じ基本クラスが複数回含まれる状態が生じることから発生します。以下に、この問題の基本的な説明を示します。

   A
  / \
 B   C
  \ /
   D

　このような継承構造があるとします。ここで、Aクラスが仮想基本クラスであり、BとCがそれを継承し、DがBとCを継承する場合、AクラスがDに対して二重に継承されることになります。この構造が複雑になると、同じ基本クラスが複数回継承され、メモリ上で冗長な構造ができあがります。

　これにより、以下のような問題が発生する可能性があります：

　仮想基本クラスのコンストラクタが複数回呼ばれる問題: 同じ基本クラスが複数回継承されるため、コンストラクタが重複して呼ばれる可能性があります。

　仮想基本クラスのデストラクタが複数回呼ばれる問題: 同じ基本クラスが複数回継承される場合、デストラクタも重複して呼ばれる可能性があります。

　これを解決するために、C++ではvirtual継承を使用することがあります。virtual継承を使用すると、同じ基本クラスが二重に含まれることを防ぎ、単一の共通基本クラスのインスタンスが作成されます。これにより、上記の問題が解決されます。

   A
   |
 B   C
   |
   D

　virtual継承を使用する場合、各クラス宣言の前にvirtualキーワードを付けることで、ダイヤモンド継承問題を回避できます：

class A { /* ... */ };
class B : virtual public A { /* ... */ };
class C : virtual public A { /* ... */ };
class D : public B, public C { /* ... */ };

　このようにすることで、AクラスがDにおいて二重に継承されることがなくなり、問題が解決されます。

　

C++に戻る