「Win32/64ネットワーク開発 003 wininetを使ったftp通信」の版間の差分
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[[Win32/64ネットワーク開発_002_wininetを使ったhttp通信#InternetOpen|InternetOpen]]関数についての説明はコチラのリンクから確認して下さい。FTP通信をするときはホスト名やログイン名を使うので第2引数のフラグはINTERNET_OPEN_TYPE_DIRECTを指定します。 | [[Win32/64ネットワーク開発_002_wininetを使ったhttp通信#InternetOpen|InternetOpen]]関数についての説明はコチラのリンクから確認して下さい。FTP通信をするときはホスト名やログイン名を使うので第2引数のフラグはINTERNET_OPEN_TYPE_DIRECTを指定します。 | ||
URLを指定してhttp通信をするときは、InternetOpenUrl関数を使いましたが、FTP通信をするときはInternetConnect関数を使います。 | |||
<span style="color:darkred;font-weight:bold">■InternetConnect(HINTERNET, LPCWSTR, INTERNET_PORT, LPCWSTR, LPCWSTR, DWORD, DWORD, DWORD_PTR)</span> | |||
'''第1引数:'''HINTERNET hInternet | |||
InternetOpen関数によって得られる、HINTERNETハンドルです。 | |||
'''第2引数:'''LPCWSTR lpszServerName | |||
FTPサーバへのアドレスまたはホスト名を文字列で指定します。 | |||
'''第3引数:'''INTERNET_PORT nServerPort | |||
wininet.hで INTERNET_DEFAULT_FTP_PORT には通常FTPで使われるポート番号21が設定されていますので、このキーワードを使うのが普通ですが、違うPORT番号でサーバ側がFTP通信をリスニング、受け入れ待ちをしている場合は、特定の番号を指定する必要があります。DWORD型の別名がINTERNET_PROTとなっています。0~65535の間の16bitの整数値です。 | |||
'''第4引数:'''LPCWSTR lpszUserName | |||
FTPログインをするときのID名です。 | |||
'''第5引数:'''LPCWSTR lpszPassword | |||
FTPログインをするときのID名に対して関連付けられたパスワード文字列です。 | |||
'''第6引数:'''DWORD dwService | |||
アクセスするサービスの種類です。FTP(INTERNET_SERVICE_FTP)とGOPHER(INTERNET_SERVICE_GOPHER)とHTTP(INTERNET_SERVICE_HTTP)があります。FTP通信時は通常はFTPを指定します。 | |||
'''第7引数:'''DWORD dwFlags | |||
INTERNET_FLAG_PASSIVE(0x0800 0x0000)を指定します。 | |||
'''第8引数:'''DWORD_PTR dwContext | |||
返されるハンドルと共にコールバック関数に渡されるアプリケーション定義値を指定する変数へのポインター。一瞬なんのことをいっているかわからない説明だったと思いますが、DWORD dwContext=123(関数はDWORD_PTRの形式を必要としているので、&dwContextのように設定します)のように特定の識別値を与えることで、このあと使う関数で、この値によって複数の通信を切り分けて使うのに利用する目的で準備されている仕組みです。wininetを使うときにそこまで複雑な通信をするとは思えませんが、winsockなどで通信するときも、こういった複数のハンドル値を管理するうまい仕組みが必要だという予備知識にもなるかと思います。切り分けをするためにもこういった使い方をする手法があるということくらいは頭の隅においておいたほうがいいかもしれません。この仕組みを使わないで、適当に0と設定しておいてもいいわけです。 | |||
2023年11月14日 (火) 18:20時点における版
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概要
wininet.Libやwininet.hのインクルードについては前の記事の通り、同じように設定する必要があります。
まずは、ホスト名やユーザID、パスワード、接続時に最初に表示するディレクトリ名を聞いてくるようなインタフェースを持たない固定値での接続を試してみましょう。接続して、FTPでカレントディレクトリを設定してカレントディレクトリが今何かを返してくれるとこまでのプログラムを書いてみます。以下のとおりです。
HINTERNET HINTERNETinet = InternetOpen(L"yo-net.jp ftp", INTERNET_OPEN_TYPE_DIRECT, NULL, NULL, 0);
HINTERNET HINTERNEThost = InternetConnect(
HINTERNETinet,
L"ftp.xxxx.com", INTERNET_DEFAULT_FTP_PORT,
L"ftp_user_name", L"ftp_user_password",
INTERNET_SERVICE_FTP, INTERNET_FLAG_PASSIVE, 0);
FtpSetCurrentDirectory(HINTERNEThost, L"/");
DWORD DWORDsize = 0;
FtpGetCurrentDirectory(HINTERNEThost, NULL, &DWORDsize);
wchar_t* pwchCurrentDir = new wchar_t[DWORDsize/sizeof(wchar_t)];
FtpGetCurrentDirectory(HINTERNEThost, pwchCurrentDir, &DWORDsize);
上記のプログラムにより、pwchCurrentDirにFTP接続したときの現在のディレクトリを取得できます。
InternetOpen関数についての説明はコチラのリンクから確認して下さい。FTP通信をするときはホスト名やログイン名を使うので第2引数のフラグはINTERNET_OPEN_TYPE_DIRECTを指定します。
URLを指定してhttp通信をするときは、InternetOpenUrl関数を使いましたが、FTP通信をするときはInternetConnect関数を使います。
■InternetConnect(HINTERNET, LPCWSTR, INTERNET_PORT, LPCWSTR, LPCWSTR, DWORD, DWORD, DWORD_PTR)
第1引数:HINTERNET hInternet
InternetOpen関数によって得られる、HINTERNETハンドルです。
第2引数:LPCWSTR lpszServerName
FTPサーバへのアドレスまたはホスト名を文字列で指定します。
第3引数:INTERNET_PORT nServerPort
wininet.hで INTERNET_DEFAULT_FTP_PORT には通常FTPで使われるポート番号21が設定されていますので、このキーワードを使うのが普通ですが、違うPORT番号でサーバ側がFTP通信をリスニング、受け入れ待ちをしている場合は、特定の番号を指定する必要があります。DWORD型の別名がINTERNET_PROTとなっています。0~65535の間の16bitの整数値です。
第4引数:LPCWSTR lpszUserName
FTPログインをするときのID名です。
第5引数:LPCWSTR lpszPassword
FTPログインをするときのID名に対して関連付けられたパスワード文字列です。
第6引数:DWORD dwService
アクセスするサービスの種類です。FTP(INTERNET_SERVICE_FTP)とGOPHER(INTERNET_SERVICE_GOPHER)とHTTP(INTERNET_SERVICE_HTTP)があります。FTP通信時は通常はFTPを指定します。
第7引数:DWORD dwFlags
INTERNET_FLAG_PASSIVE(0x0800 0x0000)を指定します。
第8引数:DWORD_PTR dwContext
返されるハンドルと共にコールバック関数に渡されるアプリケーション定義値を指定する変数へのポインター。一瞬なんのことをいっているかわからない説明だったと思いますが、DWORD dwContext=123(関数はDWORD_PTRの形式を必要としているので、&dwContextのように設定します)のように特定の識別値を与えることで、このあと使う関数で、この値によって複数の通信を切り分けて使うのに利用する目的で準備されている仕組みです。wininetを使うときにそこまで複雑な通信をするとは思えませんが、winsockなどで通信するときも、こういった複数のハンドル値を管理するうまい仕組みが必要だという予備知識にもなるかと思います。切り分けをするためにもこういった使い方をする手法があるということくらいは頭の隅においておいたほうがいいかもしれません。この仕組みを使わないで、適当に0と設定しておいてもいいわけです。
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