「AP過去問 令和7年度春期 午後 問4 システムアーキテクチャ」の版間の差分
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表1の項番1について、既存システムではBEMSサーバのメンテナンスのたびに計画停止が必要であった。新システムでは、E社クラウド基盤サービス上でBEMSサーバを仮想サーバとして構築できることを生かして、2台のBEMSサーバを[ d ]構成にすれば、計画停止をなくすことができる。そこで、図2の構成案に対して、E社クラウド基盤サービス上で、BEMSサーバを1台追加する。 | |||
表1の項番2について、既存システムのBEMSサーバのハードウェア障害発生時には、保守サービス会社への連絡、保守員の駆けつけ、障害箇所の確認、ハードウェア交換、バックアップからのデータ復旧、サービスの再開、という手順で回復していた。この手順のうち、BEMSサーバがオフィスビル内に設置されていることに起因して保守の駆けつけに要する時間が長かったが、新システムではBEMSサーバが配置されるE社クラウド基盤サービスの拠点に保守員が常駐するので、保守員の駆けつけに要する時間は大幅に短縮される。加えて、仮想サーバに障害が発生したときでも速やかにサービスを再開できるように、新システムではE社クラウド基盤サービスの[ e ]機能を用して構成する。 | 表1の項番2について、既存システムのBEMSサーバのハードウェア障害発生時には、保守サービス会社への連絡、保守員の駆けつけ、障害箇所の確認、ハードウェア交換、バックアップからのデータ復旧、サービスの再開、という手順で回復していた。この手順のうち、BEMSサーバがオフィスビル内に設置されていることに起因して保守の駆けつけに要する時間が長かったが、新システムではBEMSサーバが配置されるE社クラウド基盤サービスの拠点に保守員が常駐するので、保守員の駆けつけに要する時間は大幅に短縮される。加えて、仮想サーバに障害が発生したときでも速やかにサービスを再開できるように、新システムではE社クラウド基盤サービスの[ e ]機能を用して構成する。 | ||
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E社は新システムで重要な機能を担うBEMSサーバを例として取り上げ、そこで障害が発生した場合の影響について説明する資料を、追加で作成することにした。当該資料には、図3のE社クラウド基盤サービスのSLAの内容に加えて、月間サービス稼働率を満たした場合に月間累積障害時間が[ g ] | E社は新システムで重要な機能を担うBEMSサーバを例として取り上げ、そこで障害が発生した場合の影響について説明する資料を、追加で作成することにした。当該資料には、図3のE社クラウド基盤サービスのSLAの内容に加えて、月間サービス稼働率を満たした場合に月間累積障害時間が[ g ]分以内になることや、<u>①月間サービス稼働率が99.5%になった場合に減額される金額</u>など、具体的な事例を記載することにした。また、当該資料にはBEMSサーバのハードウェア、ソフトウェア及びネットワークに発生する可能性がある障害の要因を示し、<u>②図3のE社クラウド基盤サービスのSLAで保証されない要因</u>について説明を加えることにした。 | ||
2025年5月7日 (水) 22:09時点における版
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令和7年度春期 午後 問4 システムアーキテクチャ(AIプロンプト向け)
■ビルエネルギーマネジメントシステムの非機能要件に関する次の記述を読んで、設問に答えよ。
E社は、オフィスビルのエネルギー使用量を一元管理するビルエネルギーマネジメントシステム(以下、BEMSという)を開発・運用している企業である。首都圏を中心に複数のオフィスビルを所有しているR社に対して、オンプレミス方式のBEMS(以下、オンプレ BEMSという)を運用してきた。最近、R社から❝複数のオフィスビルのオンプレBEMSを統合管理したい❞という要望があり、E社はクラウド方式のBEMS(以下、クラウドBEMSという)を提案することになった。
オンプレBEMSは、BEMS サーバ、BEMSクライアント及びBEMSゲートウェイで構成され、E社はこれらの設置・運用を行っている。ビル管理員はBEMSクライアント上のWebブラウザを用いてBEMSサーバにアクセスし、BEMSゲートウェイを介して照明機器や空調機器などの制御対象機器の制御や監視を行う。オンプレBEMSは複数のR社オフィスビルに導入されている。
オンプレBEMSを用いた既存システム(以下、既存システムという)の構成の一部を図1に示す。なお、図1の各R社オフィスビルでは、制御対象機器を接続するビル制御LANと、BEMSサーバやBEMSクライアントを接続するビル管理LANとが既設されており、二つのLANをBEMSゲートウェイで接続している。
図1 既存システムの構成(一部) ここから
R社オフィスビル001、002、~XXXまでが存在する。
例えば、R社オフィスビル001のシステム構成を示す。
ビル管理LAN内のBEMSサーバはビル管理LAN内のL2SWと繋がっている。
ビル管理LAN内のBEMSクライアントはビル管理LAN内のL2SWと繋がっている。
ビル管理LAN内のL2SWはビル管理LANにもビル制御LANにも属さないBEMSゲートウェイと繋がっている。
ビル制御LAN内の制御対象機器はビル制御LAN内のL2SWに繋がっている。
ビル制御LAN内の制御対象機器は複数存在する。
ビル制御LAN内のL2SWはビル管理LANにもビル制御LANにも属さないBEMSゲートウェイと繋がっている。
ビル管理LANにもビル制御LANにも属さないBEMSゲートウェイはR社オフィスビル001内にある。
L2SWはレイヤー2スイッチのことである。
注記1 オンプレBEMSに関係する構成要素だけを記載している。
注記2 BEMSゲートウェイはBEMSサーバや制御対象機器が使用する通信プロトコルを変換する機能を有する。
図1 既存システムの構成(一部) ここから
E社は、R社のオフィスビルに設置している既存システムから、複数のオフィスビルを統合管理できるクラウドBEMSを用いた新システム(以下、新システムという)へ移行する方法を検討した。新システムでは、ビル管理員はR 社運用拠点のBEMSクライアントから、E社が別途サービスを提供しているIaaS型クラウドサービス(以下、E 社クラウド基盤サービスという)の仮想サーバ上に構築したBEMSサーバを操作し、ファイアウォール(以下、FWという)とBEMS ゲートウェイを介して制御対象機器の制御や監視を行う。E 社はBEMSサーバ、BEMSクライアント及びBEMSゲートウェイを設置・運用する。FW及びインターネット接続環境はR社が設置・運用する。新システムの構成案の一部を図2に示す。
図2 新システムの構成案(一部) ここから
R社オフィスビル001、002、~XXXまでが存在する。
例えば、R社オフィスビル001のシステム構成を示す。
ビル管理LAN内のFWはビル管理LAN内のL2SWと繋がっている。
ビル管理LAN内のFWはインターネットと繋がっている。
ビル管理LAN内のL2SWはビル管理LANにもビル制御LANにも属さないBEMSゲートウェイと繋がっている。
ビル制御LAN内の制御対象機器はビル制御LAN内のL2SWに繋がっている。
ビル制御LAN内の制御対象機器は複数存在する。
ビル制御LAN内のL2SWはビル管理LANにもビル制御LANにも属さないBEMSゲートウェイと繋がっている。
ビル管理LANにもビル制御LANにも属さないBEMSゲートウェイはR社オフィスビル001内にある。
R社オフィスビル001内のシステム構成はここまで
E社クラウド基盤サービス内のBEMSサーバはインターネットに繋がっている。
R社運用拠点内のBEMSクライアントはインターネットに繋がっている。
L2SWはレイヤー2スイッチのことである。
注記1 オンプレBEMSに関係する構成要素だけを記載している。
注記2 ビル管理LANのL2SW、ビル制御LANのL2SW及び制御対象機器は既設のものである。
図2 新システムの構成案(一部) ここから
〔品質要件の検討〕
E社は、図2の構成案をR社に提案した。BEMSを新たなビルに導入する場合、既存システムでは、オフィスビルとにBEMSサーバ、BEMSクライアント及びBEMSゲートウェイを導入する必要があった。ー方、新システムでは、FW及びインターネット接続環境をR社が設置・運用することによって、E社がR社オフィスビルに[ a ]を設置することによってBEMSを導入できる。R社が要望した統合管理が実現でき、さらにBEMS導入が比較的容易になるとから、R社は新システムへの移行検討の具体化をE社に依頼した。
E社の提案に対して、R社からの要望が出た。
・既存システムでは、BEMSサーバをメンテナンスする際に実施する計画停止の頻度が高く不便だったので、新システムでは計画停止の頻度を低くしてほしい。
・既存システムでは、BEMSサーバのハードウェア障害の発生頻度は低いものの、障害発生時のシステム停止時間が長く不便だったので,新システムではできるだけ短くしてほしい。
E社では、R社からの要望を受けて、既存システム及び新システムの非機能要件を改めて確認し、新システムの構成案を一部見直すとともに、その優位な点を指標を用いて示すことにした。既存システム及び新システムの非機能要件の指標とその指標値のー部を表1に示す。
<div><div class="table-container"><div class="table-header"><span class="table-title">表1 既存システム及び新システムの非機能要件の指標とその指標値(一部)</span><span class="table-unit"></span></div>
<table border="0" style="border-collapse: collapse;border-style: solid">
<tr>
<td align="center" rowspan="2" style="border: 2px solid; width: 5em;">項番</td>
<td align="center" rowspan="2" style="border: 2px solid; width: 5em;">非機能要件の分類</td>
<td align="center" rowspan="2" style="border: 2px solid; width: 5em;">非機能要件の指標</td>
<td align="center" rowspan="2" style="border: 2px solid;">指標値</td>
</tr>
<tr>
<td align="center" style="border: 2px solid; width: 5em;">既存システム</td>
<td align="center" style="border: 2px solid; width: 5em;">新システム</td>
</tr>
<tr>
<td align="center" style="border: 2px solid;">1</td>
<td align="center" style="border: 2px solid;">[ b ]、[ c ]</td>
<td align="center" style="border: 2px solid;">BEMSサーバのメンテナンスに伴う計画停止の頻度</td>
<td align="center" style="border: 2px solid;">年4回</td>
<td align="center" style="border: 2px solid;">計画停止なし</td>
</tr>
<tr>
<td align="center" style="border: 2px solid;">2</td>
<td align="center" style="border: 2px solid;">[ c ]</td>
<td align="center" style="border: 2px solid;">BEMSサーバのハードウェア障害発生時の平均サービス回復時間</td>
<td align="center" style="border: 2px solid;">48時間</td>
<td align="center" style="border: 2px solid;">15分</td>
</tr>
</table>
</div>
</div>
表1の項番1について、既存システムではBEMSサーバのメンテナンスのたびに計画停止が必要であった。新システムでは、E社クラウド基盤サービス上でBEMSサーバを仮想サーバとして構築できることを生かして、2台のBEMSサーバを[ d ]構成にすれば、計画停止をなくすことができる。そこで、図2の構成案に対して、E社クラウド基盤サービス上で、BEMSサーバを1台追加する。
表1の項番2について、既存システムのBEMSサーバのハードウェア障害発生時には、保守サービス会社への連絡、保守員の駆けつけ、障害箇所の確認、ハードウェア交換、バックアップからのデータ復旧、サービスの再開、という手順で回復していた。この手順のうち、BEMSサーバがオフィスビル内に設置されていることに起因して保守の駆けつけに要する時間が長かったが、新システムではBEMSサーバが配置されるE社クラウド基盤サービスの拠点に保守員が常駐するので、保守員の駆けつけに要する時間は大幅に短縮される。加えて、仮想サーバに障害が発生したときでも速やかにサービスを再開できるように、新システムではE社クラウド基盤サービスの[ e ]機能を用して構成する。
〔クラウドサービス障害発生時のシステムへの影響〕
新システムでは、仮想サーバでしたBEMSサーバのハードウェア障害発生時の平均サービス回復時間について大幅に短縮できることが確認できたが、E社クラウド基盤サービスに障害が発生した場合の、新システムに対する影響について、R社から説明を求められた。E社クラウド基盤サービスでは、仮想サーバを直接利用する顧客との契約時にサービスレベル合意書(以下、SLAという)を締結しているので、当該SLAの内容を引用して、どの程度の影響が新システムに及ぶかを説明することにした。E社クラウド基盤サービスのSLAの一部を図3に示す。
<div><div class="table-container"><div class="table-header"><span class="table-title">図2 E社クラウド基盤サービスのSLA(一部)</span><span class="table-unit"></span></div>
<table border="0" style="border-collapse: collapse;border-style: solid">
<tr>
<td align="center" rowspan="2" style="border: 2px solid;">■月間の仮想サーバのサービス稼働率(以下、月間サービス稼働率という): 99.55%以上</br> 月間サービス稼働率は次の式で計算する。</br>
月間サービス稼働率 = \frac{月間総[ f ]予定時間 - 月間累積障害時間}{月間総[ f ]予定時間}</td>
ただし、仮想サーバは契約期間中、無停止で稼働することを前提とする。</br>
■月間累積障害時間の考え方</br>
月間累積障害時間とは、次のいずれかの状態であったことをE社がホームページで報告した時間又は利用者が証明することができた時間について、1か月分累積した時間のことである。</br>
・仮想サーバに管理画面からアクセスできない状態</br>
・仮想サーバにインターネットから全くアクセスできない状態</br>
・仮想サーバに接続されているディスクに全くアクセスできない状態</br>
■減額対応</br>
月間サービス稼働率が99.95%に満たなかった場合、SLAで示す稼働率を達成するための稼働時間よりも少なかった稼働時間に相当する利用料金を減額する。</tr>
</table>
</div>
</div>
E社は新システムで重要な機能を担うBEMSサーバを例として取り上げ、そこで障害が発生した場合の影響について説明する資料を、追加で作成することにした。当該資料には、図3のE社クラウド基盤サービスのSLAの内容に加えて、月間サービス稼働率を満たした場合に月間累積障害時間が[ g ]分以内になることや、<u>①月間サービス稼働率が99.5%になった場合に減額される金額</u>など、具体的な事例を記載することにした。また、当該資料にはBEMSサーバのハードウェア、ソフトウェア及びネットワークに発生する可能性がある障害の要因を示し、<u>②図3のE社クラウド基盤サービスのSLAで保証されない要因</u>について説明を加えることにした。
設問1 〔品質要件の検討〕について答えよ。
(1) 本文中の[ a ]に入れる適切な構成要素名を図2中から選び答えよ。
(2) 表1中の[ b ]、[ c ]に入れる適切な字句を解答群の中から選び、記号で答えよ。
解答群
ア 以降性
イ 運用・保守性
ウ 可用性
エ 性能・拡張性
(3) 本文中の[ d ]、[ e ]に入れる適切な字句を解答群の中から選び、記号で答えよ。
解答群
ア CASB
イ RAID5
ウ VPN
エ アクティブ-スタンバイ
オ クライアントサーバ
カ シンクライアント
キ ピアツーピア
ク ライブマイグレーション
設問2 〔クラウドサービス障害発生時の新システムへの影響〕について答えよ。
(1) 図3中の[ f ]に入れる適切な字句を解答群の中から選び、記号で答えよ。
解答群
ア 稼働
イ 待機
ウ 超過
エ 停止
(2) 本文中の[ g ]に入れる適切な月間累積障害時間を分単位で、小数第1位を四捨五入して整数で答えよ。ここで、1か月は30分間とする。
(3) 本文中の下線①の場合で、サーバの月間利用料金が20万円のときに減額される金額を円単位で、小数第1位を四捨五入して整数で答えよ。
(4) 本文中の下線②について、BEMSサーバに発生する可能性のある障害の要因のうち、E社クラウド基盤サービスのSLAで保証されないものを解答群の中から選び、記号で答えよ。
解答群
ア CPUの障害
イ ストレージの障害
ウ ソフトウェアの障害
エ ネットワークの障害
令和7年度春期 午後 問4 システムアーキテクチャ(問題原文)
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回答・解説
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