「AP過去問 令和7年度春期 午前 問30」の版間の差分

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 合計で、<span style="font-size: 0.9rem;">\( 14 + 4 + 20 + 20 = 58 \text{[バイト]} \)</span>です。 これを1,500バイトから引くと、<span style="font-size: 0.9rem;">\( 1,500 - 58 = 1,442 \text{[バイト]} \)</span>がデータとして利用できる領域となります。
 MTUはIPヘッダーとTCPヘッダーの合計が含まれているので、<span style="font-size: 0.9rem;">\( 20 + 20 = 40 \text{[バイト]} \)</span>を指し引きます。。 1,500バイトから引くと、<span style="font-size: 0.9rem;">\( 1,500 - 40 = 1,460 \text{[バイト]} \)</span>がデータとして利用できる領域となります。




最初のパケットには、1,442バイトのデータが含まれます。
最初のパケットには、1,460バイトのデータが含まれます。




2番目のパケット
2番目のパケット
残りのデータは、<span style="font-size: 0.9rem;">\( 2,000 - 1,442 = 558 \text{[バイト]} \)</span>です。2番目のパケットはこの558バイトのデータを含むことになりますが、再度、パケットの構造に合わせて計算します。 2番目のパケットもイーサネットのヘッダー(14バイト)、IPヘッダー(20バイト)、TCPヘッダー(20バイト)が含まれます。
残りのデータは、<span style="font-size: 0.9rem;">\( 2,000 - 1,460 = 540 \text{[バイト]} \)</span>です。


イーサネットヘッダー: 14バイト


イーサネットトレーラー: 4バイト
したがって、2番目のパケットに含まれるデータは540バイトです。


IPヘッダー: 20バイト


TCPヘッダー: 20バイト
 したがって




合計で、<span style="font-size: 0.9rem;">\( 14 + 4 + 20 + 20 = 58 \text{[バイト]} \)</span>です。 よって、2番目のパケットに使用できるデータのサイズは<span style="font-size: 0.9rem;">1,50058=1,442[バイト]</span>です。
<span style = "background:linear-gradient(transparent 75%, #7fbfff 75%); font-weight:bold; ">
</span>




したがって、2番目のパケットに含まれるデータは558バイトですが、そのうち最初のパケットに収まらなかった残りのデータ部分に相当します。
 が答えです。




結果
この問題においては、イーサネットのヘッダー長(14バイト)とトレーラー長(4バイト)は演算には不要です。以下にそれぞれの意味と位置づけ、なぜ計算に含めないのかを説明します。


最初のパケットに1,442バイトのデータが含まれ、2番目のパケットには残りのデータ(558バイト)が含まれますが、パケット構造により、2番目に送信されるパケットのデータ量は540バイトとなります。
 
■各ヘッダー・トレーラーの役割と位置づけ
 
1. イーサネットヘッダー(14バイト)
 
データリンク層で使われる情報です。
 
宛先MACアドレス、送信元MACアドレス、タイプなどが含まれます。
 
OSI基本参照モデルの'''第2層(データリンク層)'''に該当します。
 
ハードウェアに近い通信のための付加情報で、MTUの定義には含まれません。
 
2. イーサネットトレーラー(4バイト)
 
フレームチェックシーケンス(FCS)と呼ばれる誤り検出用の値が入っています。
 
こちらもデータリンク層の一部で、同様にMTUの計算には関係しません。
 
3. IPヘッダー(20バイト)
 
OSIの'''第3層(ネットワーク層)'''における制御情報です。
 
宛先IPアドレスやパケットの分割情報などが含まれます。
 
MTUに含まれるため、MTUから差し引く対象です。
 
4. TCPヘッダー(20バイト)
 
OSIの'''第4層(トランスポート層)'''で、通信の信頼性を確保するための情報を含みます。
 
これもMTUに含まれるため、実データの容量を求める際には差し引きます。
 
■なぜイーサネットのヘッダー・トレーラーはMTUに含まれないのか?
 
 MTUは、IP層(ネットワーク層)で扱える最大のパケットサイズを表します。これは通常、IPヘッダー+上位層データ(TCPやUDPのヘッダー含む)+アプリケーションデータの合計で構成されます。
 
 
つまり、イーサネットヘッダーやトレーラーは物理的な送信に必要な情報であり、IP層から見たパケットサイズには含まれません。
 
 
そのことがわかっているかを問う問題であり、余計な情報はひっかけです。やられましたね。


 
 

2025年4月29日 (火) 23:17時点における最新版

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問30(問題文)

 MTU(Maximum Transmission Unit)が 1,500バイトに設定されたIPv4ネットワークで、2,000バイトのデータをTCPを用いて送信するときに、二つ目に送信されるパケットに含まれるデータは何バイトか。ここで、TCPヘッダー長は20バイト、IPへッダー長は20バイト、イーサネットのヘッダー長とトレーラー長は、それぞれ14バイトと4バイトとする。また、データを複数パケットに分割して送信するときは、先に送信するパケットに格納できる上限までデータを含めて送信するものとする。


ア 500

イ 540

ウ 580

エ 598

 

回答・解説

 この問題では、MTU(Maximum Transmission Unit)が1,500バイトに設定されたIPv4ネットワークで、2,000バイトのデータをTCPを使用して送信する場合に、2番目に送信されるパケットに含まれるデータ量を求める問題です。条件として、TCPヘッダー長は20バイト、IPヘッダー長は20バイト、イーサネットのヘッダー長は14バイト、トレーラー長は4バイトとされています。


送信されるパケットの構造についての計算

最初のパケット

MTUは1,500バイトであり、これにはイーサネットのヘッダー(14バイト)とトレーラー(4バイト)、IPヘッダー(20バイト)、TCPヘッダー(20バイト)が含まれます。


よって、最初のパケットに使用できるデータのサイズは以下のように計算できます。

イーサネットヘッダー: 14バイト

イーサネットトレーラー: 4バイト

IPヘッダー: 20バイト

TCPヘッダー: 20バイト


 MTUはIPヘッダーとTCPヘッダーの合計が含まれているので、20+20=40[バイト]を指し引きます。。 1,500バイトから引くと、1,50040=1,460[バイト]がデータとして利用できる領域となります。


最初のパケットには、1,460バイトのデータが含まれます。


2番目のパケット 残りのデータは、2,0001,460=540[バイト]です。


したがって、2番目のパケットに含まれるデータは540バイトです。


 したがって



 が答えです。


この問題においては、イーサネットのヘッダー長(14バイト)とトレーラー長(4バイト)は演算には不要です。以下にそれぞれの意味と位置づけ、なぜ計算に含めないのかを説明します。


■各ヘッダー・トレーラーの役割と位置づけ

1. イーサネットヘッダー(14バイト)

データリンク層で使われる情報です。

宛先MACアドレス、送信元MACアドレス、タイプなどが含まれます。

OSI基本参照モデルの第2層(データリンク層)に該当します。

ハードウェアに近い通信のための付加情報で、MTUの定義には含まれません。

2. イーサネットトレーラー(4バイト)

フレームチェックシーケンス(FCS)と呼ばれる誤り検出用の値が入っています。

こちらもデータリンク層の一部で、同様にMTUの計算には関係しません。

3. IPヘッダー(20バイト)

OSIの第3層(ネットワーク層)における制御情報です。

宛先IPアドレスやパケットの分割情報などが含まれます。

MTUに含まれるため、MTUから差し引く対象です。

4. TCPヘッダー(20バイト)

OSIの第4層(トランスポート層)で、通信の信頼性を確保するための情報を含みます。

これもMTUに含まれるため、実データの容量を求める際には差し引きます。

■なぜイーサネットのヘッダー・トレーラーはMTUに含まれないのか?

 MTUは、IP層(ネットワーク層)で扱える最大のパケットサイズを表します。これは通常、IPヘッダー+上位層データ(TCPやUDPのヘッダー含む)+アプリケーションデータの合計で構成されます。


つまり、イーサネットヘッダーやトレーラーは物理的な送信に必要な情報であり、IP層から見たパケットサイズには含まれません。


そのことがわかっているかを問う問題であり、余計な情報はひっかけです。やられましたね。

 

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