「AP過去問 令和7年度春期 午前 問47」の版間の差分

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=='''回答・解説'''==
=='''回答・解説'''==
アは❌間違いです。(運用期間中に発生した不具合件数)÷(プログラムの規模)
ア (運用期間中に発生した不具合件数)÷(プログラムの規模)
:→これは信頼性や欠陥密度に関する指標であり、保守性というよりもソフトウェアの品質や信頼性を示すものです。プログラムの規模あたりにどれだけ不具合が発生しているかを表すため、保守性の評価指標としては適切ではありません。


イは❌間違いです。(適正規模の基準を満たすプログラム数)÷(プログラムの総数)
:→ これは'''信頼性'''や'''品質'''の指標に近いものであり、'''保守性'''の直接的な評価指標とは言えません。
:→これはコーディングスタイルや設計上のガイドラインの遵守率に近い指標であり、一定の保守性への影響はあるものの、保守性を定量的に直接評価するための代表的な指標とは言えません。


ウは❌間違いです。(テスト実施済みの分岐の数)÷(プログラムの総分岐数)
:不具合の発生頻度を示すもので、保守しやすさではなく、故障の起きにくさを評価しています。
:→これは分岐網羅率(ブランチカバレッジ)と呼ばれる指標であり、テストの網羅性を測るために使われます。ソフトウェアの保守性ではなく、テストの品質や完了度を表すものです。


エは❌間違いです。(プログラムの推定総エラー数)(摘出エラー数)
イ (適正規模の基準を満たすプログラム数)÷(プログラムの総数)
:→これは残存していると推定されるエラー数を表しており、保守性ではなく、テストやデバッグの進捗度や信頼性に関する指標です。


:→ プログラムの大きさや複雑さを制御しているかを見ています。


以上より、どの選択肢も保守性の代表的な定量指標ではありませんが、保守性を評価するための一般的な定量的指標としては、'''平均変更容易度'''や'''モジュールの凝集度・結合度'''などがあります。
:規模が適正であれば理解や変更がしやすくなるため、これは'''保守性'''の評価指標として適しています。


:コーディング標準に従って設計されている割合を見る指標とも言えます。


しかし、この中であえて選ぶとすれば、'''イ'''の選択肢はコードの適正な規模(過大・過小を避ける)が保守性に影響を与えるという観点から、最も関連性が高いと考えられます。
ウ (テスト実施済みの分岐の数)÷(プログラムの総分岐数)


:→ これは'''テスト網羅率'''、すなわち'''命令網羅率'''や'''分岐網羅率'''と呼ばれるもので、'''テストの十分性'''を示す指標です。


しかしながら、今回のテストは出題ミスが既にあることから、これも全員正解でいいのではないでしょうか?
:テスト工程における品質保証の一部であり、保守性の評価とは直接関係ありません。
 
エ (プログラムの推定総エラー数)-(摘出エラー数)
 
:→ これは'''未発見エラー数の推定'''を意味しており、'''信頼性'''や'''品質管理'''の分野の指標に該当します。
 
:保守性とは関係が薄いです。
 
 
 したがって
 
 
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イ</span>
 
 
 が答えです。


 
 

2025年4月29日 (火) 22:48時点における最新版

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問47(問題文)

 ソフトウェアの保守性を定量評価するときに使用する指標として、適切なものはどれか。


ア (運用期間中に発生した不具合件数)÷(プログラムの規模)

イ (適正規模の基準を満たすプログラム数)÷(プログラムの総数)

ウ (テスト実施済みの分岐の数)÷(プログラムの総分岐数)

エ (プログラムの推定総エラー数)-(摘出エラー数)

 

回答・解説

ア (運用期間中に発生した不具合件数)÷(プログラムの規模)

→ これは信頼性品質の指標に近いものであり、保守性の直接的な評価指標とは言えません。
不具合の発生頻度を示すもので、保守しやすさではなく、故障の起きにくさを評価しています。

イ (適正規模の基準を満たすプログラム数)÷(プログラムの総数)

→ プログラムの大きさや複雑さを制御しているかを見ています。
規模が適正であれば理解や変更がしやすくなるため、これは保守性の評価指標として適しています。
コーディング標準に従って設計されている割合を見る指標とも言えます。

ウ (テスト実施済みの分岐の数)÷(プログラムの総分岐数)

→ これはテスト網羅率、すなわち命令網羅率分岐網羅率と呼ばれるもので、テストの十分性を示す指標です。
テスト工程における品質保証の一部であり、保守性の評価とは直接関係ありません。

エ (プログラムの推定総エラー数)-(摘出エラー数)

→ これは未発見エラー数の推定を意味しており、信頼性品質管理の分野の指標に該当します。
保守性とは関係が薄いです。


 したがって



 が答えです。

 

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